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私がTHINKERSを譲り受けた理由

私には10歳の子どもがいます。
子ども(ここではMと呼びます)は地元の公立小学校に通っていましたが、運動会の棒引きの練習で腰を打ってから、学校に行かなくなりました。
4年生の秋のことです。
はじめは腰の痛みが問題なのだと思いました。
しかし、運動会が終わり、病院で腰には問題がないと言われても、学校に行きたがりません。
楽しそうに通っていた4つの習い事も休むようになりました。
かつて自信満々で何事にも積極的だったMが、次第に、自己肯定感と意欲を失って家の中に引きこもるようになり、私は悩みました。

Mが不登校となった原因は、いまだによくわかりませんが、一応、次のように考えています――Mのようになんでもできて感受性の鋭い「浮きこぼれ」の場合、地元の学校や地域では、なかなか話の合う友だちが見つかりません。
それどころか、変わり者と見られ、排除されます。
それは、同質性の高いこの国では、しかたのないことだと考えています。
だから私は、(今のところ、ときどきフリースクールや習い事に通っていますが)Mが完全に家の中に引きこもって暮らす未来も想定しています。
しかし、同時に私は、もし仮に家の中に引きこもる生活になったとしても、Mには、自分の殻の中に閉じこもってほしくない、人とつながっていてほしい、と切実に願っています。
そして今日、みなさんご存じのように、それはインターネットを使えば、たやすく実現できるのです。

学校を超えて学び合える10代のためのSNS、THINKERSもその一つです。
興味のある事柄について、気の合う仲間と真剣に語り合える、インターネット上のサードプレイス
自宅でもなく、学校でもない、時空を超えた居場所
THINKERSが資金の問題により閉鎖されそうになったとき、私は、そういう場所をなくしてはいけない、Mをはじめとする多くの「浮きこぼれ」がちな若者のために維持しなくてはいけない、と考えたのです。

「浮きこぼれ」がちな若者は、フリースクールやオルタナティブスクール、ホームスクールだけでなく、公立の学校にも、私立の学校にもいることでしょう。
否、既存の「学校」に通う若者のほうが、「浮きこぼれ」ないように、必死になって周囲に溶け込もうとしているのかもしれません。
そんな若者すべてが安心して、のびのびと、主体的な学びと交流を深め、自分らしい人生を歩むためのポートフォリオを作るべく、試行錯誤できる場所を守りたいと思いました。

これが、私が一般社団法人THINKERS NEOを設立して、THINKERSを譲り受けた理由です。

【関連エントリ】
SNSを利用する意味(私の育児方針)
譲り受ける2年前のエントリですが、THINKERSに言及して「正直に言うと、私は今の10代に嫉妬しています」とまで言っています。
どんだけ好きなんだ、THINKERSが。

なぜ学校へ行くのか?
3本のシリーズものです。
学校に行けるならば行くべきだという主張です。

ホームスクールについてのメモ

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プロフィール

渡辺リエラ
1969年東京生まれ。1988年東京大学文科1類入学。1992年東京大学法学部卒業。出版社勤務、専業主婦を経て、現在、別名義にて大学講師などとして活動中。2007年7月第1子「みーちゃん」誕生。
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