たびたびオススメしている『入学準備 陰山メソッド 小学校でつまずかない「もじ」と「かず」家庭ワーク』は、「読み」「書き」「計算」「聞く・話す」の4つに分けて、計31のポイントを指摘しています。
「計算」は「20まで数えられるようにし、たし算ひき算の意味を日常生活の中で覚えさせる」。
計算に関してのオススメは、『算数おもしろ大事典』かなあ。
「多面的に評価」って何?の終わりのほうで、具体的に親は何をすればいいのか、の1つとして、「学校の勉強をきちんとするように応援すること(主に算数・数学、理科、社会)」を挙げました。
そのうちの「算数」についてのオススメ本でもあります。
この本はたしか、子育て誌の記事を書いたとき、取材先の先生が勧めていたので、購入しました。
こんな感じでカラフルなので、眺めているだけでも楽しめると思います。
そうやっているうちに自然に数字と仲良くなれたら、いいですよね。
もちろん、小学校低学年にはまだ難しい項目もあります。
たとえば、第3章の「音楽と算数」(248ページ)。
「音階には算数がいっぱいつまっている」例として、弦の長さを半分にすると1オクターブ高い音になることや、弦の長さを2/3にすると5度音が高くなること(ド→ソ)が書かれています。
でも、これって、岩波新書のロングセラー、芥川也寸志著『音楽の基礎』にも書いてある内容なんですよ(75ページ)。
つまり、『算数おもしろ大事典』は正統派かつ本格的だ、ということ。
「大事典」というくらいで分量もありますから、小学校を卒業するまで、6年かかって1冊を読破するイメージでしょうね。
値段も、そのくらい長期間にわたって読んでほしいお値段ですしw
そのほかのオススメとしては、『親子で学ぶ数学図鑑:基礎からわかるビジュアルガイド』もあります。
こちらは、科学との付き合い方(理科についてのオススメ本)でオススメした『親子で学ぶ科学図鑑――基礎からわかるビジュアルガイド』の姉妹本。
姉妹本だけあって、ヴィジュアルの美しさ、価格の安さもオススメポイントです。
ただ、翻訳時に多少は手当てをしているようですが、基本的に“グローバルスタンダード”な記述になっている模様。
つまり、かけ算の順序についての備忘録というかお願いで触れた、「かけ算の式の順序」についての考え方が、通っている小学校で教わる内容と食い違う可能性があるのです。
また、「つるかめ算」や「植木算」みたいな項目もなかった気がします。
なので、
「まずは学校での点数が大切よ」
「とにかく中学受験を突破しなければ!」
というご家庭にはオススメしにくいです。
逆に、
「子どもには“世界標準”な算数を学ばせたいわ」
「うちでは、つるかめ算を飛ばして連立方程式を教えるつもりです」
といったご家庭には超オススメです。
で、どっちのスタンスで行こうか、お悩み中の方がいたら、ぜひ読んでほしい記事があります。
現代ビジネスの昨年の記事〈対談〉田村耕太郎 × 村上憲郎 グローバルの「中枢」に行くために、日本人には何が必要なのかです。
米Google・副社長兼日本法人社長だった村上氏は『村上式シンプル英語勉強法―使える英語を、本気で身につける』などの著者としても有名な方。
村上氏のお嬢さんは、アメリカのボーディング・スクールを経てハーバード大学へ進まれたそうですよ。
そんな村上氏は、「日本では、高校までの教育にあまりにも無駄が多い」と指摘しています。
氏によると、アメリカの数学教育の重鎮と議論したとき、その「重鎮」氏は、アメリカの理科系の教育目標の一つは、量子力学を若い頭脳に教えることだ、と明言したそうです。
そのため、アメリカの高校の数学の授業では、なるべく早く量子力学にたどり着くように、教えた内容を理解しているかどうかをクイズで確認して、どんどん先に進んでいくらしい。
「重鎮」氏は、「数学では、四則演算といったシンプルなコンセプトだけを使った複雑怪奇な問題はいくらでも作れる。でも、そんな問題を勉強させるのは時間の無駄にしかならない」とも言ったそうですが、この言葉、つるかめ算などにも当てはまるような気がしませんか?
ここでうなずいた人は、「つるかめ算を飛ばして連立方程式」コースのほうが向いているのではないでしょうか?
【追記】2014.7.4
『親子で学ぶ算数図鑑』→『親子で学ぶ数学図鑑』
タイトルと本文を修正しました。
今頃になって気付きました(汗)。
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