しばらく前、教育再生実行会議がニュースになっていました。
2段階の新試験提言=大学入試、総合評価へ転換を―再生会議によると、
「高校在学中に複数回受けられる「基礎」「発展」の2段階の達成度テストを新たに導入し、「発展」を現行の大学入試センター試験に替えて実施する」
とともに、
「面接や小論文、ボランティア活動などを多面的に評価し入学者を選抜する」
ことを提言したそうです。
「導入には早くても5年程度かかる見通し」
とのことで、今の高校生には直接の関係はなさそうですが、それ以下のお子さんをお持ちの親御さんは、
「いったい、どうすりゃいいの?」
と戸惑っておられるかもしれませんね。
まあ、ざっくりとイメージで申し上げますと、ハーバードとか、欧米の大学の入試に近づいていく、と思っておけばいいのではないでしょうか。
で、ハーバードなど欧米の大学入試がどんな感じかと言うと、これまたざっくりですが、統一的な学力試験+「多面的に評価」という感じです。
その「多面的に評価」というのがイメージしにくいのですが、現状の日本の教育システムでは、クラブ活動とかお稽古事、趣味に相当する部分になります。
例を挙げますと、音楽やスポーツ。
ヴァイオリンでコンクール入賞、とか、陸上競技の記録を持っているとか。
日本の若者の海外進出は戦略の練り直しが必要だと思うでご紹介した廣津留すみれさんがモデルです。
すみれさんについては現代ビジネスの「世界のトップスクールで学ぶ日本人」第一回 ハーバード大学1年生廣津留すみれさん 「大分の公立高校で過ごし、高1まで海外に出たことがありませんでした!」が詳しいですが、成績優秀なのは当然として、「3歳から続けているバイオリンで高1の時に国際コンクールに出場して優勝し、高2の春にはカーネギーホールで演奏し」、日程が重なったために、熟慮の末に周囲を説得して、修学旅行より「大好きな中村勘三郎さんの襲名披露公演」を選ぶような、群を抜くアピールポイントの持ち主です。
このサイトにもたびたびメッセージを寄せてくださっている、すみれさんのお母様で株式会社Dirigo代表取締役の廣津留真理さんは、大分市内で、英語をツールにして表現力を身につける教室を運営しておられます。
真理さんのお考えについては「力を入れない、脱力」は大切などでご紹介していますし、今またメッセージをお願いしているところです。
すみれさんの例を挙げると、
「そりゃ、上を見たらキリがないよ」
と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに(笑)。
ただ、この先、日本の教育システムがどう変わっていくかはわかりませんが、少なくとも、
・ハーバードなど欧米の大学入試のありかたが参照されること(場合によっては真似されること)
・どういうありかたか、を知るうえで、トップがどんな闘いをしているか、を知ることが早道だ、ということ
は断言できます。
もちろん、長期的には、ほぼ単一民族でずっとこの列島に貼り付いて生きている日本人が多く通う大学は、何らかの事情で自国を捨ててきた人とその子孫が人工的につくった多民族国家であるアメリカの大学ほどは、熾烈な競争にはならないと思いますが、短期的には極端に振れる可能性も否定できませんし、どういう方向に入試が変わっていくのか、そのイメージ作りに際して欧米の(とくにアメリカの)大学が無視されることはないでしょう。
強めの表現になりますが、
「お稽古事は情操教育にはいいけど、本気でやってもしょうがない。やっぱり、いい学校からいい会社よね」
という頭では時代遅れになりかねませんよ、と申し上げておきます。
では、具体的に親としては何をすればいいのか。
とりあえず、簡単にまとめると、
・正しい日本語、美しい日本語が使えるように応援すること
・(今多くの日本の学校で書かせているような「気持ち」重視の作文や読書感想文ではなくて)論理的な小論文を、日本語か英語で書けるように応援すること
・学校の勉強をきちんとするように応援すること(主に算数・数学、理科、社会)
・アピールポイントとなりそうなクラブ活動とかお稽古事、趣味、ボランティア活動を続けるように応援すること
を意識しておけばいいんじゃないかと思います。
【追記】2013.11.12
最後の「具体的に親として何をすればいいか」のまとめについて、早速、純ジャパニーズ・ハーバード生の母、廣津留真理さんより、
「その通りです!おそらく最後の課外活動については、塾ができて「受験対策用ボランティア、楽器演奏」などがはじまるでしょうね。。。
日本人はどうしても、「○○対策」に走るので、そこをどうかわしていくか、に日本の教育の未来があると思います」
とのメッセージをいただきました。
ありがとうございます。
「受験対策用ボランティア」に吹いてしまいました。
お金を払ってボランティアをするんですかね。
譲り合って順番にリーダーをするんですかね。
食事中の方はご注意くださいって、遅かったかもしれませんね(笑)。
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