2013年05月

「覚えゲー」で一生が保障される時代は終わった

結論だけで恐縮ですが、日本の学校の現状を鑑みると、「高度な知育と、深く内面にかかわる徳育」を家庭でやるべきだと考えています(理由はママ日記で述べていますので、興味のある方はお問い合わせください)。
その話とはずいぶん距離が離れているようにも見えますが、teruyastarはかく語りきというブログのお家で勉強できる子という昨年のエントリを偶然、再読して、感じたことがあったので、メモします。

同エントリでは「勉強できる子、できない子」のパターンをいくつか解説していて、最後の「パターン6・上昇志向無し、勉強への興味無し、けどほとんどの科目高得点」に興味を示し、本人の声をくわしく紹介しています。
要するに、彼は、「勉強はTVゲームと同じだと」気付いてから、「今まで一度も家の机で勉強したこと無い彼が家で時間かけて勉強(覚えゲー)するようになったらしい」。

こういう、ゲーム感覚で勉強している人、もっと言えば、ゲーム感覚で生きている人って、東大生や東大卒に多いと感じます。
私自身もそういうタイプです。
私は子どもの頃からTVゲームをまったくやらないのですが、それは単純に、やる必要を感じないからです。
勉強や人生がゲームなので、しかも、ガチンコ真剣勝負のゲームなので、極めて面白い。
しかも、勝負では、持てる力を出し切っています。
だから、TVゲームへの興味も持てないし、TVゲームに取り組む余力もないのです。
ここまで言い切る人間は、東大関係者の中でも多くはないと思いますが、ニュアンスはご理解いただけますよね。

そのうえで、警鐘を鳴らしたいのです。
パターン6の彼は、こうも言っているそうです。

「ほとんどの科目はただの「覚えゲー」(敵の出現パターンを覚えるゲーム)だそうだ。
それがいやらいしい敵配置だったり、
見えないところからレーザーを打つ初見殺しだったりするけど
パターンや型を覚えたらだいたい応用できるという」

これはダメね。
現状の東大関係者にはけっこう多いと思いますが、これからは、これじゃダメ。

子どもの将来というエントリで書いたように、10年後、20年後には、「いい大学に行って、いい会社に入って」の賞味期限が切れているわけです。
パターンや型をいっぱい覚えるだけで、一流大学に進学でき、一流企業に就職できて、一生安楽に暮らせる、なんて時代は終わりました。
「覚えゲー」で一生が保障される時代はもう終わったのです。

とは言え、ゲーム感覚で勉強すること、ゲーム感覚で生きること自体は、お勧めです。
ここで言う「ゲーム感覚」は、もちろん単なる覚えゲーにとどまりません。
パターンや型を覚えたうえで、それにとらわれず、それを超えた解を見出していくことです。
その意味でのゲーム感覚があれば、これから子どもたちが取り組まなくてはならない勉強にも対応できるし、納得の行く人生を送ることもできるはず。

そしてそのゲーム感覚は、子どもの頃から家庭で鍛えていくことができると思います。
それこそが、冒頭で述べた高度な知育です。
具体的に何をするかは、お子さん1人1人で異なると思うので、抽象的な言い方になってしまいますが、ヒントです。
日常生活の中で、お子さんの精神的、肉体的なタフさ、自分を客観視できる知性、集中力などが鍛えられるように意識してみてください。
親子の遊びでもそれは可能だと思いますが、家庭外学習でもOKです。
ただし、ゲーム感覚を鍛える手段として、どんな家庭外学習を選ぶか(勧めるか)は、親の仕事です。
手段として割り切ることができるなら(お受験熱にうかされないならば)、現状の受験勉強もなかなかいいと思います。
サッカーもいいし、バレエもいいかもしれません。

保護中: 2013年5月28日配信 現在進行形のママ日記(5歳10か月) 俯瞰表現

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プロフィール

渡辺リエラ
1969年東京生まれ。1988年東京大学文科1類入学。1992年東京大学法学部卒業。出版社勤務、専業主婦を経て、現在、別名義にて大学講師などとして活動中。2007年7月第1子「みーちゃん」誕生。
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