以前、別名義のお仕事で脳科学者から、被験者(大人)に1桁の足し算か引き算を頭の中でやってもらい、MRIでスキャンすると、足し算と引き算のどちらをしたか、当てることができる、という話を聞いて驚いたことがあります。
どうやって当てるかと言うと、目を動かす脳の回路を見るのだそうです。
足し算だと目を右に動かすのと同じ回路に、引き算だと左に動かす回路に、それぞれ動きがあるのです。
つまり、多くの子どもは、5足す7であれば、数直線を書いて、5のところから7右に進んで、12という答えを導きます。
引き算であれば、左へ進んで答えを出します。
例えば、何度かご紹介しているMOOC(公開オンライン講座)の一つカーン・アカデミーの中で算数の入り口にあたる動画でも、数直線が使われています。
やがて、成長とともに暗算できるようになりますが、それは、数直線を手で書いて目で追って答えを出す、という身体の動きを内面化したということ。
脳の働かせ方自体は変わらないのです。
びっくりしませんか!
とすれば、子どもが指を折ったり数直線を書いたりして計算するのを「やめなさい」と叱るのは、まったくのナンセンス。
むしろ、「どんどん指や手を使って数えなさい」という話になるはずです。
このように身体を動かして理解するというのは、子どもの生理に合っているのですね。
そして、数直線を書けないような小さい子にオススメなのが、百玉そろばんです。
玉が並んでいるので、1つずつ数えて数字に親しむことができます。
指だと両手の10が限界ですが、百玉そろばんなら、もっと大きい数字まで数えることができます。
同じことはおはじきや大きめのビーズでも可能ですが、誤飲がこわいので(とくに妹、弟のいるご家庭)、“安全を買う”感覚で百玉そろばんを購入されることをオススメします。
もちろん乳幼児時代だけでなく、小学生になっても百玉そろばんは使えますので、投資は回収可能です(笑)。
例えば、『親野智可等の頭がよくなる「算数力」教室』(宝島社)では、親が手でいくつか玉を隠し、隠した数を当てさせるクイズが紹介されています。
百玉そろばんは普通、横に10個の玉が並んでいるので、「足して10になる数」(補数と言います)を瞬時に答えられるように特訓する道具として最適なんですね。
この補数は1年生のはじめの頃に学びますが、親野智可等先生は、
「その後の算数の得意不得意の分かれ目」
とまでおっしゃってますよ~
気になる方は、同書をご覧くださいね。
ところで、百玉そろばんにはいろいろあります。
例えば、私が百玉そろばんを買うときに参考にさせてもらった「百玉そろばんレポート」というサイトのこんな商品がありますというページをご覧ください。
「こんなにいろいろあっては、選ぶのが大変!」
というママ、パパのため、うちが買った物をご紹介します。
それは、ドイツのHABA(ハバ)社の百玉そろばんです。
なぜこれを選んだかと言うと、
1 数字や絵が書いていないので(後ろの板などに書いてある商品もある)、数字や絵に惑わされることなく純粋に数と親しむことができる。
2 5個ずつ色が変わるので(1列10個の色が同じ商品が多い)、直感的に数を感じることができる(5は片手の指の数と同じですからね)。
3 玉の色が赤と黄色だけじゃなくてカラフル。
たぶん、この条件すべてを満たすのはHABA社のだけだと思います。
マイナスは、若干デザインが子どもっぽいことかな。
でも、リビングルームに置いていても違和感のないデザインですよ。
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Comment
こんにちは!
年中一人娘の母です!はじめまして。
新年度になりましたので、何か絵本でも定期購読しよかと思い、ネットで科学絵本で検察していたら、こちらにたどり着きました。ついつい、興味深く、いろんなページを拝読させていただいています!
私は東大なんて、夢の夢の夢の・・・みたいな学歴ですが、
たまたま派遣先で一緒にペアを組む男性と直属の上司が東大卒でした!
ほんとにびっくりするほど頭がよくて、尊敬してましたよ!
こんな人が世の中にいるのか~と感動いたしました。
みーちゃんも素敵なママをもって、幸せですね!
ちなみに、うちはあーちゃんです^^
私はほんとに算数、そして数学がダメで、
今でも追試の夢をみるほど・・・。
さっそく、百玉そろばん。買ってあげようかと思います。
これからも、記事、楽しみにしています~★
いろいろ教えてください!
はぴさま
こんにちは、コメントありがとうございます!
科学絵本、いいですよね。
いろいろなものやことをご紹介しているので、あーちゃんの様子を見ながら、情報収集にお役立てください!
百玉そろばんもいいですよね。うちは愛用し過ぎて、食卓の上に載ったままです(笑)。
どうぞ、あーちゃんにピッタリの物を買ってあげてくださいね!