2018年07月

経済産業省の「未来の教室」イベント懇親会の終了時間について

7月26日に経済産業省で行われた「未来の教室」プラットフォーム キックオフイベントに行ってきました。
教育界のセーフティネットを目指す、学校を超えて学び合える10代のためのSNSTHINKERSの運営者、つまり一般社団法人THINKERS NEOの理事として参加したわけですが、ネタ的にふさわしい場所はTHINKERSのサイトより、やっぱりここかな、と。

というのもですね、イベントの終了時間が19時30分と書かれているのに、なんと、意見交換、マッチングのための懇親会が20時スタートなんですよ。
それがわかったのは、イベント会場で資料を見たとき。
今、上記ページを見たら、「イベント終了後、懇親会を」と書いてあるので、見落とさなければ予想がついたとも言えるし、こういうイベントのタイムスケジュールはいつもこうだからと、みんなはわかっているのかもしれないけれど、ちょっと考えてみてくださいよ。

懇親会が1時間としても、終わったら21時。
帰宅したら22時近く。
小学生くらいまでの子どもがいる人は、迎えや夕飯の手配、子どもへの指示(「お風呂入って、先に寝ておいてね」とか)をしておきたい感じですよね。
これが19時30分懇親会スタートであれば、20時30分に終わって、21時過ぎに帰宅できるので、例えば、食事の支度だけしておいて、「お風呂に入って、お母さん帰るの、ちょっと待っててね」でいいな、となるわけですよ。
たった30分の終了時間の違いすら重要。

なのに、懇親会の終了時間が予め告知されていないんです。
終了時間がわからなかったら、子どものシッターを手配することもできません。
資料の中には「女性復職支援事業」なんて文字も踊っているというのに、そういうことを考える人は誰もいないんだな、と思いました。
会場で傍聴する人たちも、9割くらいは男性でしたし、率直に言って、あまり多様性は感じませんでした(そういう趣旨のイベントだったんだとは思いますが)。
教育産業室長の浅野さんはお話が上手だったし、「教育イノベーション」をやり遂げる熱意も感じましたが、「ここがスタート地点だったら、たしかに、こりゃ大変だな」とも思いました。

まあ、ウチは子どもが「STEAM」好きで「不登校」で「性の不一致」問題を抱えている(かもしれない)という三重苦、否、「未来の教室」のトレンドてんこ盛りな人なので、良くも悪くも選択の余地はありません。
世の中がどう変わろうと、変わらなかろうと、ひたすらに個を追求し、淡々とTHINKERSを続けていくんだろうなあ、と思いながら、懇親会に出ずに、理科実験教室まで子どもを迎えに行きましたよ。

【関連エントリ】
私がTHINKERSを譲り受けた理由

私がTHINKERSを譲り受けた理由

私には10歳の子どもがいます。
子ども(ここではMと呼びます)は地元の公立小学校に通っていましたが、運動会の棒引きの練習で腰を打ってから、学校に行かなくなりました。
4年生の秋のことです。
はじめは腰の痛みが問題なのだと思いました。
しかし、運動会が終わり、病院で腰には問題がないと言われても、学校に行きたがりません。
楽しそうに通っていた4つの習い事も休むようになりました。
かつて自信満々で何事にも積極的だったMが、次第に、自己肯定感と意欲を失って家の中に引きこもるようになり、私は悩みました。

Mが不登校となった原因は、いまだによくわかりませんが、一応、次のように考えています――Mのようになんでもできて感受性の鋭い「浮きこぼれ」の場合、地元の学校や地域では、なかなか話の合う友だちが見つかりません。
それどころか、変わり者と見られ、排除されます。
それは、同質性の高いこの国では、しかたのないことだと考えています。
だから私は、(今のところ、ときどきフリースクールや習い事に通っていますが)Mが完全に家の中に引きこもって暮らす未来も想定しています。
しかし、同時に私は、もし仮に家の中に引きこもる生活になったとしても、Mには、自分の殻の中に閉じこもってほしくない、人とつながっていてほしい、と切実に願っています。
そして今日、みなさんご存じのように、それはインターネットを使えば、たやすく実現できるのです。

学校を超えて学び合える10代のためのSNS、THINKERSもその一つです。
興味のある事柄について、気の合う仲間と真剣に語り合える、インターネット上のサードプレイス
自宅でもなく、学校でもない、時空を超えた居場所
THINKERSが資金の問題により閉鎖されそうになったとき、私は、そういう場所をなくしてはいけない、Mをはじめとする多くの「浮きこぼれ」がちな若者のために維持しなくてはいけない、と考えたのです。

「浮きこぼれ」がちな若者は、フリースクールやオルタナティブスクール、ホームスクールだけでなく、公立の学校にも、私立の学校にもいることでしょう。
否、既存の「学校」に通う若者のほうが、「浮きこぼれ」ないように、必死になって周囲に溶け込もうとしているのかもしれません。
そんな若者すべてが安心して、のびのびと、主体的な学びと交流を深め、自分らしい人生を歩むためのポートフォリオを作るべく、試行錯誤できる場所を守りたいと思いました。

これが、私が一般社団法人THINKERS NEOを設立して、THINKERSを譲り受けた理由です。

【関連エントリ】
SNSを利用する意味(私の育児方針)
譲り受ける2年前のエントリですが、THINKERSに言及して「正直に言うと、私は今の10代に嫉妬しています」とまで言っています。
どんだけ好きなんだ、THINKERSが。

なぜ学校へ行くのか?
3本のシリーズものです。
学校に行けるならば行くべきだという主張です。

ホームスクールについてのメモ

プロフィール

渡辺リエラ
1969年東京生まれ。1988年東京大学文科1類入学。1992年東京大学法学部卒業。出版社勤務、専業主婦を経て、現在、別名義にて大学講師などとして活動中。2007年7月第1子「みーちゃん」誕生。
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