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プレゼントのオススメ「タブレット」

今年は、子どもへのクリスマスプレゼントとしてタブレットを考えている方、多いんじゃないでしょうか。
ただ、タブレットはメーカー、サイズ、機能、さまざま。
どれにしたらよいか、と悩んでいる方も多いと思います。
当サイトでは、忙しいママ・パパの時間節約のために、できるだけオススメ品を特定するように心がけています。
しかし、ことタブレットに関しては、「これ!」と決めるのが難しい。
お子さんの年齢や興味の対象、親子で共有するかどうか、などの諸条件によって、使い勝手の良い物がまったく異なりますからね。
そこで、いくつか例を挙げながら(必ずしもオススメではないのですけれど)、選ぶ際のチェックポイントをいくつか提示してみようと思います。

まず、タブレットで学ぶ小学生向け通信教育のスマイルゼミの広告を最近よく見かけるので、取り上げましょう。
運営しているのは、ジャストシステム。
日本語ワープロソフトの一太郎、かな漢字変換ソフトのATOKを作っている、日本を代表するIT企業、と言ってよいでしょう。
しかも、寡聞にして知りませんでしたが、ジャストシステムは小学校向け学習・授業支援ソフトのジャストスマイルも作っているそうで、このジャストスマイルは全国の公立小学校の約8割で導入されているそうです。
そして、スマイルゼミのタブレットには、ジャストスマイルの10年以上のノウハウが詰まっている模様。
現場の先生たちの声が反映されているようです。
このように書くと、すごく良さそうですが、現場の先生たちは、教育の専門家ではありますが、タブレットの専門家ではないので、スマイルゼミにタブレットの特質が十分に生かされているかどうかは、別途検証が必要ですね。

文章を聴くことができるのはいいと思います。
おそらく現代文だけではなく、古文や漢文、英語なども聴くことができるのでしょうね。
逆に、英単語の発音の良し悪しも判定してくれるといいですね。
パンフレットには「空間認知」みたいな文字も見えますが、立体をグルグル回転させたり、下から見たり、ということでしょうか。
そうだとしたら、とても面白いです。

反復トレーニングの必要な計算ドリルや漢字ドリルもあるようですが、答え合わせもしてくれるのでしょうか。
答えの正誤が直ちにわかるなら、いいと思います。
そうでなかったら、紙のドリルと変わりません。
同じ問題を複数回解くと、何回解いて、何回正答したか、わかるといいな。
1回解いて、次は間違った問題だけ表示される、というモードも選べるといいです。
数回解いて、1回でも間違えたことのある問題だけが表示されるとか。
それから、あとで親が、間違えた問題を確認できるようにしておいてほしいです。

単純な足し算や漢字の読みだったらいいですが、2ケタ以上の割り算や分数、文章題の場合は、どこで間違えたかが重要ですが、それはわかるようになっているんでしょうか。
本人がわかるだけではなくて、あとで親が確認できるようになっていないと、困ります。
あるいは、入力データが送信されて、赤ペン先生のような人が添削をして、赤字入りのデータを返してくれるとか。
漢字の書き取りや書き順にも対応しているようですが、手書き文字の認識精度はどの程度でしょうね。

あと、各教科、毎月1回ネット配信されるそうですが、得意な子がどんどん先へ進んでいけないのは、タブレットを使っている意味がないと思いますし、学習内容の質と量がお子さんにあっているかどうかを吟味する必要がありますね。
ただ、その辺りは、ベネッセの進研ゼミ(チャレンジ)やZ会、月刊ポピーといった競合する通信教育と同じ問題なんでしょうね。

親が設定すればインターネットを利用できるそうですが、フィルタリングが行われる模様。
1人でタブレットを使わせる場合には必要な機能かもしれませんが、親が近くにいるときは解除したいです、可能ですか?
知らないものが出てきたら、すぐ検索させたいですが、フィルタリングに阻まれそうで心配。
今は、インターネットに百科事典のようなサイトが山のようにありますから、それを利用しない手はないです。
画像や動画も検索したいですが、できますか?
スマホは悪か?でも紹介したMOOC(公開オンライン講座)の一つカーン・アカデミーはもちろん視聴できますよねえ?
You Tubeも、親の設定次第で視聴可能にしておいてもらいたいです。

そろそろ検索は、「雨 降る 理由」のような単語にわざわざ“因数分解”しなくても、「雨はどうして降るの?」のような頭に浮かんだセンテンスそのままでできる時代になろうとしています。
いよいよ紙の百科事典をインターネットが抜き去ろうとしているわけです。
知りたい情報に誰もが到達できる時代が目前に迫っているのです(もちろん、だからこそ情報の真贋や軽重の判断力が重要になるわけですけど)。
そんな時代にインターネット利用を常時制限するようでは、タブレットを使っている意味はない、私はそう思います。
今の子どもたちは、生まれた時にPCやインターネットが既にあったり、物心つく頃にスマホやタブレットが隣りに存在したりする世代。
彼らは嫌でも、インターネットやタブレットとともに生きていかねばならないのです。

アプリ限定ですが、スマイルゼミと同じくらい厳しいペアレンタル・コントロールを設定しているのが、AppleのiPad
Appleは今年9月、App Storeの中に「子ども向け」というカテゴリを新設しました。
そのカテゴリのページを開くと、年齢別のお勧めアプリが並んでいますが、それらのアプリはみな、Appleの厳しい審査に合格した安心アプリなわけです。
子どものプライバシーが流出しないように個人情報の扱いに細心の注意が払われ、アプリ外に遷移する前や何かを購入する前に親の許可を要求し、広告(とくに大人向けの広告)が表示されたり、アイテム課金などにより勝手に親の財布からお金が出て行ったりしないよう配慮されています。
一方で、アプリの外では自由なインターネット空間が広がっているわけですから、親子で共有する場合にはぜひ候補に入れていただきたいタブレットです。
ただ、相対的に高価であることは否定できません……。

Androidタブレットであれば、比較的安価なキッズ・タブレットは検討に値します。
マイナビニュースの親が欲しい機能が全部入り!? 子供向けタブレット「tap me」がかなりスゴいによると、バンダイナムコグループのメガハウスから今夏出た、初の国産子ども向けAndroidタブレット「tap me」では、フィルターなしのブラウザも利用可能なようです。

ITmediaニュースのネットの世界の入り口に──子ども向けAndroidタブレット「MEEP!」を見てきましたによると、昨年米国で販売を開始したトイザらスの子ども向けタブレット「MEEP!」、「ネットを通じて世界を広げてもらう」ため、「「Google Play」からのアプリのダウンロードや、ブラウザやYouTubeでの自由な検索もできるようにするなど、制限をかけすぎないよう配慮している」そうです(強調は渡辺による)。
発想は魅力的だなあ、と思います。

トイザらス限定 MEEP!(ミープ) オレンジ

【追記】2013.12.6
うっかり取り上げるのを忘れてしまいましたが、Amazonの「Kindle Fire HDX 8.9」とその小型版である「HDX 7」も、iPadの廉価版というくくりで候補にするといいかもしれません。
CNET Japanの「Kindle Fire HDX 8.9」レビュー(前編)–コンテンツ消費に最適なタブレットによると、「現在市場に出回っている大型タブレットの中では最軽量」だそうで、好印象。
どうしても「Kindle」というと電子書籍端末というイメージが強いですが、いやいや。
「Kindle Fire HDX 8.9」は動画も快適に観られて、ブラウジングも可能。
評者は「ウェブアクセスに便利で、快適なツール」「トラブルのないウェブエクスペリエンス」とまで褒めちぎっていますが、それは「以前のKindle Fireタブレットと比較すれば、かなり特別なこと」だそうですから、今回はかなり期待できます。

Amazon自身によるKindle Fire HDX 8.9タブレットページの説明によれば、機能制限もできて、子ども向けコンテンツも用意されているそうですから、子ども専用のタブレットにするもよし、親子共有にするもよし。

さきほど「iPadの廉価版」と書きましたが、そう切り捨てていられない凄さもあります。
@ITの12年のエントリAmazon Kindleの本当の「怖さ」をあなたは知らないによると、「基本的には米国のユーザーおよび米国内での利用に限定される」ものの「Immersion Reading」という機能があります。
これは「電子書籍と、オーディオブックのナレーションをワードレベルで完全に同期させ、読みながら聞けるというもの」。
つまり「ナレーションで読まれている個所が次々にハイライトされていく」わけです。
これが日本国内で日本語で使えるようになるといいなあと思いますが、たぶんその日は当分来ないだろうな。

ただ、英語の勉強には使えそう。
aguila o solというブログのKindleで洋書を読むならImmersion Readingを使ってみようというエントリによれば、ちょっとコツはいるようですが、「ヒアリングとリーディングがいっぺんにできる」そうですよ。
これ、子どもの外国語の勉強に、すっごくいいと思うんですけど。

【追記】2014.3.25
(ハードではなく)教育ソフトの側面については、こちらもどうぞ。
アプリゼミ、ダウンロードしましたか?
いよいよ来るぞ、学習の個別化――スマイルゼミの場合

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  1. golddust says:

    tap me 「子供へのデジタル教育はこれで。国産子供用タブレット」

    [キッズ専用本格タブレット tap me (タップミー) by MegahouseJP]

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プロフィール

渡辺リエラ
1969年東京生まれ。1988年東京大学文科1類入学。1992年東京大学法学部卒業。出版社勤務、専業主婦を経て、現在、別名義にて大学講師などとして活動中。2007年7月第1子「みーちゃん」誕生。
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取材(「取材してほしい」「取材したい」の両方)、お子さまの教育についての相談(実費申し受けます)などもお気軽にどうぞ。「お問い合わせ」からご連絡をお願いします。

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