テレビで子育て――総論・英語・国語でも触れた、Eテレの「にほんごであそぼ」は、齋藤孝先生総合指導による幼児向け国語番組です。
サイトには「2歳から小学校低学年くらいの子どもと親」対象と書かれていました。
13年度から対象年齢を引き下げたそうです。
それはそういうニーズがあったからだと思いますが、うちは、録画しても録画しても、なかなか観てくれなくて、ようやく観たがるようになった(保育園の同じクラスには、年少さんくらいから「にほんごであそぼ」に夢中になっていた男の子がいました。その子に比べると、2年遅れで火がついたことになります)と思ったら、また、観なくなったので、かなり困っていました。
そこで、以前の、対象年齢高めバージョンを探し、「にほんごであそぼ たっぷり」のDVDを購入。
そしたら、喜んで観てくれて、ホッ。
放映時に気に入っていた「うれしやかぶき」「うなりやベベンの平家物語」「茶摘み」「蟻(あり)と蝗螽(いなご)の事」「合点か」や文楽が入っていたのが、私的には嬉しかったです。
対象年齢高めと言っても、ちゃんと子ども仕様になっているのもありがたい。
子ども仕様ではない例を挙げると、『声に出して読みたい日本語1』のしょっぱなに出てくる「知らざあ言って聞かせやしょう」の絵本があるのです。
図書館で借りたのですが、みーちゃんは途中で「こわい」と言って、読むのをやめました。
さもありなん。
だって、有名な歌舞伎の名ゼリフとは言え、中身は泥棒の口上なのです。
自分の悪事を次々に並べたて……なんと「若衆の美人局(つつもたせ)」まで。
そんな内容だったんだ、と、のけぞりましたよ。
画風も“泥棒の口上”風で、子ども向きではなく……。
編・解説の齋藤孝先生は、この弁天小僧菊之助のセリフに「やみつき」だとおっしゃていて、たしかに、中高生くらいなら面白がって読むでしょう。
でも、幼児はもちろん小学生にもキツイかな、と思いました。
さて、なぜ、これほどまでに「にほんごであそぼ」にこだわるのか。
2つ理由があります。
1つは、
「多面的に評価」って何?で、具体的に親がすべきことの1つとして挙げた「正しい日本語、美しい日本語が使えるように応援すること」の実践です。
とくに幼児、小学生の頃は、なんでもすいすい覚えられる時期だから、正しい日本語、美しい日本語を叩き込んでおきたいわけです、大人としては。
『受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法―』(池谷裕二著、新潮文庫)によると、脳科学的には、幼児、小学生は、単純な丸暗記が得意。
たしかに、怪獣の名前やら電車の名前やら、ちびっ子たちはよく覚えていますよね。
そして、この頃覚えたものは、まず一生忘れません。
ただし、この丸暗記は、興味をもったもの、「いいな!」と思ったもの限定。
なので、正しい日本語、美しい日本語を教科書チックに見せるだけでなく、手を替え品を替え、五感に訴えかけていく必要があるんです。
この辺りの話は、百人一首のすすめでもう少し詳しく書いていますので、興味のある方はそちらをどうぞ。
もう1つの理由は、他の人に聞こえるように話したり、他の人の話を聞いたりする練習にもなるんじゃないかと思っていること。
たびたびオススメしている『入学準備 陰山メソッド 小学校でつまずかない「もじ」と「かず」家庭ワーク』は、「読み」「書き」「計算」「聞く・話す」の4つに分けて、計31のポイントを指摘しています。
「聞く・話す」については、
「人前で話す、人の話を聞ける。話した内容を注意深く聞き取れることが大事」
とのこと。
「にほんごであそぼ」を観て面白がる子は、きっと自分も声に出して言ってみたくなるんじゃないかと思います。
声に出してみると、たぶん、覚えていない、聞き取れていない個所に気付きます。
そうすると、もう一度観て、注意深く聞き取ろうとするんじゃないでしょうか。
そして、声に出してみる。
これを繰り返すうちに、声の出し方も安定してきて、きっと、人前で話すことのハードルも下がっていくのではないでしょうか。
とくに「人前で話す」こと、声を出すこと、は重要だと思います。
ちゃんと話すため、ちゃんと声を出すためには、子どもの時に広い意味での身体表現(演劇、舞踊、歌唱、演奏)を学んでおくといいんじゃないかと、常々思っています。
それは、楽しいから、でもありますが、呼吸や姿勢を鍛えるため、でもあります。
詳しくは、広い意味での身体表現(演劇、舞踊、歌唱、演奏)を学ばせる意味をどうぞ。
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