2012年01月

1月31日の献立

  • ご飯
  • わかめと長ねぎのお味噌汁
  • ホウボウの煮付け
  • かぼちゃの煮物
  • 春菊のごま和え
  • ※1歳6か月のみーちゃんも食べました。

    花粉症の最新治療法と症状を軽減させる方法

    あるママの悩み

    愛知県・福田陽子(仮名)・38歳
    長男9歳

    うちの子は血液検査を受け、スギとヒノキのアレルギーがあることがわかっています。
    花粉症には乳酸菌が良いと聞いたので、昨年は毎日ヨーグルトをたくさん食べさせましたが、まったく鼻の調子が良くならず、鼻づまりがひどくて一睡もできない夜もありました。
    それどころか、下痢が続いて親子ともにつらい思いをしました。

    鼻がつまった時に市販の点鼻薬を使わせたら、気持ちがいいと言って、1日に何度も何度も使うようになりました。
    注意書きを見ると、使用回数を制限するようにとあったので、心配になって耳鼻科の先生に伺ったところ、
    「連用するとリバウンドが来ますよ。最悪、レーザーなどの鼻の手術で通りをよくするしかなくなりますよ」
    とのこと。
    驚いて点鼻薬を取り上げました。
    ところが、今度は鼻水が止まらなくなり、1日に何十回も勢いよく鼻をかませていたところ、耳が痛いと言い出し、慌てて耳鼻科に連れて行ったら、中耳炎と診断されました。

    子どもも大きくなってきて、「花粉症の薬は眠くなるから嫌だ」などとわがままを言いはじめています。
    今春もまもなくスギ・ヒノキ花粉が飛び始めるでしょう。
    新聞によると、大量の花粉が飛んだ昨年に比べると今年は少ないそうで、少しホッとしました。
    それでも症状はゼロにはなりません。
    「またこの季節がやってきたのか……」
    「薬を飲みなさい、嫌だ、の繰り返しか……」

    と、鬱々した気分で過ごしています。
    花粉症とうまく付き合う方法はないものでしょうか?

    2012年春の花粉飛散予測

    日本気象協会の2012年春の花粉飛散予測(第3報)が先日発表されました。
    それによると、

      「2012年春の花粉の飛散量は、ほとんどの地域で例年並か例年よりやや少ないでしょう。
      花粉の飛散量が多かった2011年の春に比べると30~70%の所が多い見込みです。」

        お手紙をくださった福田さんも、今年は少しホッとしておられるようですね。
        ただ、福田さんも心配しておられるように、比較的飛散量の少ない年であっても、花粉症に苦しむお子さんは多くいらっしゃいます。
        また、症状を抑えることに必死にならずに済む“ラクな年”のうちに花粉症に負けない体を作っておけば、来年以降の春が過ごしやすくなるのではないでしょうか。

          それでは、耳鼻いんこう科山西クリニック院長・山西敏朗先生からいただいた福田さんへのアドバイスをご紹介しますね。
          山西先生には、みーちゃんも私も患者としてお世話になっており、度々取材にもご協力いただいています。
          比較的年齢が近いことも手伝って、今では、子どものからだにかかわるさまざまな問題意識を共有する「同志」のような気がしています。
          そんな頼もしい山西先生のアドバイスを、どうぞお読みください。

            山西敏朗先生のプロフィール

            やまにし としろう
            医療法人社団朗(ほがらか)会 耳鼻咽喉(いんこう)科 山西クリニック理事長。1994年日本大学医学部卒業。医学博士。日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。日本気管食道科学会認定専門医。『花粉症の長期戦略と短期療法』(小学館)、『花粉症ふっとばし完全カタログ』(幻冬舎)など著書、監修書多数。3児(14歳、9歳、4歳)の父。「働くママさんの味方です」(先生談)

            山西クリニック
            東京都新宿区早稲田鶴巻町518 第一石川ビル2F
            http://www.yamanishiclinic.jp/toppage.html

              山西敏朗先生のアドバイス

              本格的な花粉飛散がはじまる2週間ほど前から内服、点鼻、点眼の予防的投与をすると、シーズン中楽に過ごせることはご存じですか?
              眠気のない抗ヒスタミン薬もありますし、夜寝る前だけ眠気のある薬を出すこともできますから、医師にきちんと相談してみてください。

                なお、スギやヒノキのエキスを注射する「減感作療法」という治療法もあります。
                医師から聞いたことがありますか?
                これは治癒率が8割から9割と高く、大人にはおすすめですが、注射のため子どもにはつらい治療です。
                いずれ、口の中にたらすだけの治療法(舌下免疫療法)が導入されるでしょうから、減感作療法はもう少し待ってみては?

                  花粉症の自然治癒率は約3%と言われています。
                  街中で普通の生活を送りながら花粉症を自然に治すのは、大変難しいです。
                  ただ、完全に治癒しなくても、症状が軽ければ生活の質は上がりますよね。
                  そう考えて、花粉の飛散量の少ない地域、例えば沖縄のようなところに転地する患者さんもいます。
                  それも一つの対処法でしょう。
                  もっとも転地ともなると、条件が揃わなければ、なかなかできるものではありません。
                  そこで、福田さんに試してほしいのが、生活習慣の見直しです。
                  単に生活習慣を見直すだけで、くしゃみや鼻水、鼻づまり、眼のかゆみといった花粉症状を軽減させることができるんですよ。

                    まず花粉が体内に入らないように、マスクやゴーグルをしましょう。
                    嫌がるお子さんも多いですが、その時は親子でよく話し合ってください。
                    そして、玄関を入る前に服をはらって、花粉を家に入れない。
                    さらに、帰宅後すぐの手洗い、洗顔、うがい、鼻かみ(大きいお子さんであれば、鼻を洗いましょう)を勧めています。
                    これらはインフルエンザや風邪対策にもなり、一石二鳥です。

                      また、適度な運動をすることも大切です。
                      体内の血行が促進され、鼻の通りも改善しますから。
                      ただ、屋外スポーツでは、花粉を吸い込んでしまうというジレンマがあります。
                      そこで私は、屋内で手軽にできる乾布摩擦を勧めています。
                      乾いたやわらかい木綿のタオルを使い、足の先→腰→手の甲→肩→背中→首筋→胸の順で、徐々に心臓に向かって、肌が暖かく感じるまでこすります。
                      5~10分程度、朝もしくは入浴前に励行しましょう。
                      親子でやればコミュニケーションにもなりますよ。

                        そして、食事です。
                        実は、重症の花粉症のお子さんには、共通点があります。
                        朝は寝不足のまま、コンビニで買った菓子パンをジュースで胃に流し込む、もしくは何も食べずに登校。
                        休日の昼食は、ファーストフード店でハンバーガーとフライドポテトとコーラ。
                        運動が嫌いで、ゲームが大好き。
                        夕食はインスタント食品で、だらだらテレビを観たり、夜更かしする毎日……。

                          日本人の食生活が欧米化してきた昭和30~40年代以降、花粉症をはじめとするアレルギー性疾患が急激に増加してきました。
                          さらに、この10年で花粉症の低年齢化が進んでいます。
                          肉や卵には異種タンパクと呼ばれる消化されにくいタンパク質がたくさん含まれていて、それらが分解されずに腸へと送られると、悪玉菌が増加し、免疫機能のバランスが崩れます。
                          悪玉菌が増加し、体が異種タンパクに対するアレルギーを起こしやすくなっているところに、花粉というこれもまた異種タンパクが体内に侵入することで、よりひどいアレルギー症状を引き起こしてしまいます。
                          つまり、免疫機能が破綻しているために、本来体に有害ではない花粉を異物と勘違いした体が、過剰に反応し、花粉を排除しようとする、その防御反応が花粉症状なのです。
                          とすれば、肉や卵を控えた昔ながらの和食をとっていれば、花粉症状は軽くなるはず、そうは思いませんか?

                            花粉症に負けないための体づくりには、でんぷん(穀物)の比率が高く、大豆などの植物性タンパクを中心に、ときどき魚などで動物性タンパクを補う、昔ながらの和食が効果的です。
                            具体的に言えば、朝食をパン食から、ご飯と味噌汁、根菜の煮物、アジの干物といった和食にする。
                            休日は、おにぎり持参でプールで泳ぐ。
                            夕食は、鍋が最高です。
                            最後は雑炊にして、デザートはりんごなどいいですね。
                            そして、早く寝る。
                            翌朝、すっきり目覚めたところで、鼻からいっぱい空気を吸って、深呼吸する……。
                            こんな生活に切り替えてみてはいかがでしょうか?

                              花粉症の症状を軽減させる3つのポイント

                            • 帰宅後すぐの手洗い、洗顔、うがい、鼻かみ
                            • 毎日の乾布摩擦で、体内の血行を良くしよう
                            • 昔ながらの和食で、花粉症に負けない体づくり

                              渡辺リエラの取材メモ

                              山西先生によると、花粉症の子どもには口呼吸の子が多いそうです。
                              いつも口で呼吸をしているため、鼻の機能が衰え、花粉症状が出やすくなるというわけです。
                              あまり知られていませんが、「舌癒着症」という“病気”があります。
                              その治療を赤ちゃんの時にしておくと、鼻呼吸が上手にできるため、花粉症になりにくいそうです。
                              「舌癒着症」については、ブログの「ママ日記」として、みーちゃんと私の体験談を書く予定です。

                              (このエントリは、ある子育て誌の2011年2月号に掲載された記事をもとに、大幅に加筆修正したものです。)

                               

                              プロフィール

                              渡辺リエラ
                              1969年東京生まれ。1988年東京大学文科1類入学。1992年東京大学法学部卒業。出版社勤務、専業主婦を経て、現在、別名義にて大学講師などとして活動中。2007年7月第1子「みーちゃん」誕生。
                              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
                              生後106日以降のママ日記は有料とさせていただいております。有料とする理由含め詳細は「当サイトについて」をご覧ください。
                              取材(「取材してほしい」「取材したい」の両方)、お子さまの教育についての相談(実費申し受けます)などもお気軽にどうぞ。「お問い合わせ」からご連絡をお願いします。

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