8月末に開催されたルービックキューブデー2015に行ってきました。
そもそも、ルービックキューブは、みーちゃん6歳のときのサンタクロースからのクリスマスプレゼントです。
選んだのは、私。
ルービックキューブが近所のスパゲッティ屋さんに置いてあり、行くと必ずさわり、得意な店員さんがいると、手があいたときに6面揃えてもらっていたので、みーちゃんが興味をもっているのはわかっていました。
ウィキペディアによると、「ルービックキューブ(Rubik’s Cube)はハンガリーの建築学者エルノー・ルービックが考案した立方体パズル」で、「3次元幾何学を説明するための「動くモデル」を求め、ドナウ川の流動を見て発明のヒントを得た」といい、「数学の一分野である群論と関連が深く、論文も発表されている」そうです。
群論については、サイバネット社の数式処理・数式モデル設計環境「Mapleシリーズ」の群論入門 ~ルービックキューブを Maple で~というページにアニメーションがありました。
私にはよくわかりませんが、面白そうです。
情報処理学会の会誌「情報処理」2005年7月号連載の「プログラム・プロムナード」Rubic キューブと置換の乗算(和田英一)も、さっぱりわからないけれど、なんだかとっても面白そうです。
もっときちんと数学を勉強しておけばよかった。
WIREDの2010年の記事ルービックキューブ「神の数字」を証明によると、「最も効率的な手順でルービックキューブを解く場合にかかる最小の手数は「神の数字(God’s Number)」と呼ばれ」ています。
この「神の数字」、「1981年には52手、2008年には22手とされていた」わけですが、同年、「Google社の協力を得た研究チームが20手以下であることを証明した」そうです。
ルービックキューブには、なんと「4325京2003兆2744億8985万6000通りの配置」があるんですが、どの配置であったとしても、「そろった状態への復元に、多くても20手しか必要としない」というのです。
これ、すごくないですか?
以前、別名義のお仕事で有名な教育者に推薦してもらった『はじめまして数学』(吉田武著、幻冬舎文庫)という本がありまして(リメイク版も出ています)、その素晴らしい本に「素数の楽しみ方」が書かれていました。
ところが、まったくピンとこない……。
それほど数字オンチな私が、ルービックキューブの「神の数字」で、初めて数字にロマンを感じました。
たぶん、『算数おもしろ大事典』か『親子で学ぶ数学図鑑』かで紹介した『算数おもしろ大事典』の「ハノイの塔」(268ページから)や「カエルのとびこし」(272ページから)にもつながる話だと思うんですよね。
もっと言うなら、完全な素人考えですが、
「これがあっちで……」
「あっちがこっちに来て……」
と、キューブをカチャカチャしていると、3次元のセンスというか数学のセンスを磨けるんじゃないかな、平面のパズルよりそういう意味でいいんじゃないかな、と思いました。
それで、「ルービックキューブver.2.0」を買った(プレゼントした)のです。
ver.2.0は当時出たばかりで、色が国際基準になっており、回しやすくなっているという説明でした。
でまあ、みーちゃんに6面揃えてくれとせがまれるわけですが、私は1面しかできません。
ネットで攻略ページを見ても、なんだかよくわかりません。
そうこうするうちに、今年に入ってからだったと思いますが、気付いたら、みーちゃんが1面を揃えられるようになりました。
それで、誰か先生をみつけて、直接本人に6面の揃え方を教えてもらおうと、ルービックキューブ教室を探したんですが、定期的に開催されているものはなく、代わりに、イベントとして開催されるルービックキューブデー2015を発見したわけなのです。
このイベントについての取材記事を1つ紹介しておきます。
まんたんウェブのルービックキューブ:16歳の世界最速記録保持者が来日 超スピードの“技”披露です。
まさにこんな感じのイベントでした。
うちの体験としてはですね、まず、なんとなく「キューブアートをつくろう」のコーナーに行ったら、やさしそうなお兄さんが、
「自分の名前を作ろう」
と声をかけてくれたので、やってみることにしました。
実はこのお兄さんが、ルービックキューブ世界大会2009 4×4×4部門 チャンピオンの大村周平さんだったんです。
うわお、いきなりチャンピオンです、さすがはルービックキューブデー。
完成したところで、一緒に写真を撮ってもらいましたよ。
次に「達人によるルービックキューブ教室」のコーナーに移動し、6面を教えてもらいました。
元々、みーちゃんに直接教えてもらおうというつもりでしたし、私はいろいろあって疲れていたので、達人の話を全然聞いていませんでした。
みーちゃんは熱心に話を聴いていたし、ときおり質問もしていたし、「わかってるね」みたいな言葉をかけてもらっていたので、大丈夫だろうと油断していました。
ところが帰宅して、みーちゃんが教わったとおりに6面を揃えようとしたら、できなかったんです。
やり方を聞かれましたが、もちろん私もわからず。
「なんで、ママは、はなしをきいていなかったの!」
と文句を言われました。
あんまり怒っているので、慌てて会場でもらった「ルービックキューブ6面完成攻略書」を読みましたが、やっぱりよくわかりません。
「ママがやってよ!」
と、いつの間にか、6面揃えるタスクを押し付けられ、泣きながらググったところ、「感想記」というブログの復刊希望!!(ルービックキューブ免許皆伝 島内剛一著)に、
「最近のブームに乗っ取って出てきた解説書を興味半分で買ったんですが。
その手筋のパターンの多さにちょっと閉口しました。
確かに操作手順は少なくなるんですが。
どうにもこれだけの種類の手順を覚える気力がわいてこない。
そういうことでLBL法習得は早々に諦めました」
と書いてありました。
もらった攻略書にも「LBL法」と書いてありましたので、なるほど、そういうことか、と思いました。
覚えることがたくさんあるわけです。
この歳になると、そんなにいろいろ覚えられません。
しかも、私は別に、手順をたくさん覚えて速く回してほしくて、ルービックキューブをみーちゃんに買ってあげたわけではないのです。
3次元とか数学のセンスを磨けるんじゃないか、という淡い期待から買ったのです。
どうやら、私の目的にLBL法は合っていないようです。
さらに、「感想記」の前掲エントリに、
「スピードキューブはパズルじゃありません。
一種のアスリートですね」
とありました。
実は、「ルービックキューブデー2015」のメインイベントは、ルービックキューブ世界最速記録保持者のCollin Burns(コリン・バーンズ)さんと、ルービックキューブ世界大会2007 ルービックキューブ部門 チャンピオン 中島悠さん、やさしそうなお兄さんの大村周平さんによるデモンストレーションマッチでして、そちらももちろん観せていただきました。
その中のインタビューへの回答として、バーンズさんが、毎日3時間だったか、けっこうな時間を使って練習していると言っていました。
それが私にとっては、かなり意外でした。
もっと頭でキューブを回しているイメージをもっていたのです。
スピードキューブは、頭を使うというより身体を使うスポーツなんだな、と感じました。
実際、デモンストレーションの司会者も、
「ルービックキューブは頭が良くないとできないと思うかもしれませんが、スピードキューブは頭を使わなくてもできますから、やってみませんか」
というような趣旨のことをおっしゃっていました。
キューブ本体についても、
「スピードキューブでは、ver.2.0と比べ物にならないくらいに回しやすい中国製のキューブを使う人がほとんどだ」
と、大村さんが言っていました(もう特許が切れており、他社がキューブを作っても問題ないそうです)。
そのくらいに回しやすさが重要、ということなんですね……。
後でググったら、大村さんがチャンピオンになったのは高3のとき。
バーンズさんも16歳ですし、デモを見ているときも、経験値や判断力のようなものより、反射神経、気力、体力次第、その意味で若いほうが有利なスポーツだ、と感じました。
この先、もっと若いチャンピオンが生まれても不思議ではない、とさえ思いました。
そして、スピードキューブの世界では、ほとんどの人がLBL法で揃えているとのこと。
LBL法=スピードキューブ=頭より身体
そんなイメージを抱きました。
そのイメージが正しいとすると、みーちゃんに頭を使わせたい私の意図に合うのは、LBL法ではありません。
では、どんな解法がいいのか?
LBL法「と比べて暗記しなければならないパターン数が少ないので初心者に向いている」とされるツクダ法もいいかもしれませんが、「感想記」の前掲エントリに、『ルービックキューブ免許皆伝』について、
「どちらかというとこの書からは一つの手筋から多数の派生型の手筋を生み出すという楽しみを学ぶことができました。
そのため4つほどの操作方法を覚えれば6面を完成させることが出来たし」
と書かれていました。
こういうふうに、少しだけ覚えて、その少ない知識を応用して6面揃える方向っていいなあ、と思いました。
この本を読みたいなあ、と探したら、復刊されていました。
『ルービック・キューブと数学パズル』です。
近いうちに読みたいと思います。
……そんなことをつらつらと考えながら、ふと見ると、みーちゃんがiPadで遊んでいます。
ルービックキューブ公式アプリの「お助けモード」を使って、楽しそうに6面を完成させているではないですか!
平均すると、タイム1分強、手数30強。
もしこれが自力でできたとしたら、けっこういい記録じゃないでしょうかね。
本人もそれがわかるらしく、「6めんできた」と嬉しそうです。
「どこをどう揃えているか、考えながらやるんだよ」と言ったら、「かんがえてる」と答えました。
解法はおそらくLBL法だと思いますが、続けて遊んでいれば、そのうち自力で6面を完成させられるようになりそうです。
完成させられると達成感が味わえますからね、「お助けモード」はいいなあ、と思いました。
完成させられるようになった後で、他の解法にも興味をもってくれたらいいなあ、と思っています。
デモンストレーションマッチの後、お三方のサインをいただきました。
本棚に飾っています。
お三方、関係者のみなさま、貴重な機会をありがとうございました!
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「お助けモード」を何千回、何万回やろうと、"お助け"に追従して"出来てるつもり"になってるだけで、自力では絶対に完成し得ません。
ブログを読んでると、権威主義的なブランドに弱い臭いがプンプンして来るんですが、どうしてその脳から月1,000円に値する魅力的な情報やら文字列が生み出されるのかトンと理解出来ません。
自分は京大理学部出ですが、たかがブログ程度でで出処を鼻にかけたところで、逆に世間知らずの真性馬鹿丸出しがバレバレで恥ずかしいだけじゃないですか?
九兵衛さん
コメントありがとうございます。
そうですね、たしかに自分の頭で考えながら「お助けモード」のスピードについていくのは大変かもしれません。
そうそう、先日やっと、本文に出てくる『ルービック・キューブと数学パズル』を購入しました。
みーちゃんは「あ、ルービック・キューブの本だ!」と言って、大切そうに自分の本棚に飾りました。
「さわっちゃだめ」と釘をさされたため、まだ読んでいませんが、そのうち、スキをみて、挑戦したいと思います!