2014年03月

「にほんごであそぼ」のススメ

テレビで子育て――総論・英語・国語でも触れた、Eテレの「にほんごであそぼ」は、齋藤孝先生総合指導による幼児向け国語番組です。

サイトには「2歳から小学校低学年くらいの子どもと親」対象と書かれていました。
13年度から対象年齢を引き下げたそうです。
それはそういうニーズがあったからだと思いますが、うちは、録画しても録画しても、なかなか観てくれなくて、ようやく観たがるようになった(保育園の同じクラスには、年少さんくらいから「にほんごであそぼ」に夢中になっていた男の子がいました。その子に比べると、2年遅れで火がついたことになります)と思ったら、また、観なくなったので、かなり困っていました。

そこで、以前の、対象年齢高めバージョンを探し、「にほんごであそぼ たっぷり」のDVDを購入。

そしたら、喜んで観てくれて、ホッ。
放映時に気に入っていた「うれしやかぶき」「うなりやベベンの平家物語」「茶摘み」「蟻(あり)と蝗螽(いなご)の事」「合点か」や文楽が入っていたのが、私的には嬉しかったです。

対象年齢高めと言っても、ちゃんと子ども仕様になっているのもありがたい。
子ども仕様ではない例を挙げると、『声に出して読みたい日本語1』のしょっぱなに出てくる「知らざあ言って聞かせやしょう」の絵本があるのです。

図書館で借りたのですが、みーちゃんは途中で「こわい」と言って、読むのをやめました。

さもありなん。
だって、有名な歌舞伎の名ゼリフとは言え、中身は泥棒の口上なのです。
自分の悪事を次々に並べたて……なんと「若衆の美人局(つつもたせ)」まで。
そんな内容だったんだ、と、のけぞりましたよ。
画風も“泥棒の口上”風で、子ども向きではなく……。
編・解説の齋藤孝先生は、この弁天小僧菊之助のセリフに「やみつき」だとおっしゃていて、たしかに、中高生くらいなら面白がって読むでしょう。
でも、幼児はもちろん小学生にもキツイかな、と思いました。

さて、なぜ、これほどまでに「にほんごであそぼ」にこだわるのか。
2つ理由があります。

1つは、
「多面的に評価」って何?で、具体的に親がすべきことの1つとして挙げた「正しい日本語、美しい日本語が使えるように応援すること」の実践です。
とくに幼児、小学生の頃は、なんでもすいすい覚えられる時期だから、正しい日本語、美しい日本語を叩き込んでおきたいわけです、大人としては。

『受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法―』(池谷裕二著、新潮文庫)によると、脳科学的には、幼児、小学生は、単純な丸暗記が得意。

たしかに、怪獣の名前やら電車の名前やら、ちびっ子たちはよく覚えていますよね。
そして、この頃覚えたものは、まず一生忘れません。

ただし、この丸暗記は、興味をもったもの、「いいな!」と思ったもの限定
なので、正しい日本語、美しい日本語を教科書チックに見せるだけでなく、手を替え品を替え、五感に訴えかけていく必要があるんです。
この辺りの話は、百人一首のすすめでもう少し詳しく書いていますので、興味のある方はそちらをどうぞ。

もう1つの理由は、他の人に聞こえるように話したり、他の人の話を聞いたりする練習にもなるんじゃないかと思っていること。

たびたびオススメしている『入学準備 陰山メソッド 小学校でつまずかない「もじ」と「かず」家庭ワーク』は、「読み」「書き」「計算」「聞く・話す」の4つに分けて、計31のポイントを指摘しています。

「聞く・話す」については、
「人前で話す、人の話を聞ける。話した内容を注意深く聞き取れることが大事」
とのこと。
「にほんごであそぼ」を観て面白がる子は、きっと自分も声に出して言ってみたくなるんじゃないかと思います。
声に出してみると、たぶん、覚えていない、聞き取れていない個所に気付きます。
そうすると、もう一度観て、注意深く聞き取ろうとするんじゃないでしょうか。
そして、声に出してみる。
これを繰り返すうちに、声の出し方も安定してきて、きっと、人前で話すことのハードルも下がっていくのではないでしょうか。

とくに「人前で話す」こと、声を出すこと、は重要だと思います。
ちゃんと話すため、ちゃんと声を出すためには、子どもの時に広い意味での身体表現(演劇、舞踊、歌唱、演奏)を学んでおくといいんじゃないかと、常々思っています。
それは、楽しいから、でもありますが、呼吸や姿勢を鍛えるため、でもあります。
詳しくは、広い意味での身体表現(演劇、舞踊、歌唱、演奏)を学ばせる意味をどうぞ。

テレビで子育て――ノンジャンル

テレビで子育て――総論・英語・国語
テレビで子育て――算数・理科・社会・音楽・体育
の続きです。

まず、考え方、ものの見方についての番組。
変化著しい時代。
流行り廃り、栄枯盛衰にかかわりなく役に立つ“肝”の部分を子どもには学ばせたいですからね。

1つ目は、「4~6歳児を対象にした「考え方」を育てる番組」のピタゴラスイッチ
5分間の「ピタゴラスイッチ ミニ」もあります。

もう1つは、デザインあ
「デザインあ 5分版」もあります。
デザインとは見た目をステキにすること、と考えている方が多いと思うんですが、それはデザインのごく一部に過ぎないです。
「人とモノ、人と人を「より良くつなげる」ための観察・思索・知恵・行動のプロセス」としてのデザインを自覚的に学ぶことは、これからの子どもには絶対に必要だと思います。

あとは、ジャンルをまたぐ番組のご紹介です。

科目で言うと、社会だったり理科だったり、「海外のよりすぐりのドキュメンタリーを放送する」地球ドラマチックは打率が高くて、超オススメです。

食いしん坊だからか、長寿番組のきょうの料理も好きみたいです。
科目で言えば家庭科の勉強になるはずですが、私は国語の勉強にもなると思っています。
コミュニケーション力(論理的表現力)をどう鍛えるかで紹介した、日本語で論理的表現力を鍛える『論理トレーニング・プリント』でも、ステップ4の「説明A」は「ピザトーストの作り方」ですし。

思い出話をすると、雑誌のレシピのページを作るのって、けっこう頭を使うんですよ。
取材時は、使う材料を整理して、文字情報だけで伝えられるように作り方をメモして、文字情報だけでは伝えきれない調理のシーンを特定して、その画像を撮影して(何度も作ってもらうわけにはいかないから、一発で決めないと、と緊張します。もちろん、多めに撮影しておくわけですが、「ここは押さえないと」というポイントはあるわけで)……それを決められたフォーマットに流し込む。
頭フル回転です。
あら探しをするわけじゃないけれど、クックパッドを眺めていると、ときどき、「材料」に書かれた食材が「作り方」に出てこないレシピや、「作り方」を見てもうまく作れる気がしないレシピがあります。
そう、クックパッドへの投稿って、スゴイことなんですよね。
動画(映像)の撮影でも、ポイントを押さえるのは熟練の技だと思います。
「きょうの料理」を観ていても、映像としてのクオリティの高さを実感します(リハーサルから入れたら何回くらいやるのかな、と下世話なことも考えるけど)。

同様に、趣味Do楽の「パティシエ青木定治とつくる あこがれのパリ菓子」も、みーちゃんのお気に入りです。
2012年度 趣味Do楽 月曜日のバックナンバーのページに番組紹介が載っています。

あと、同じページに載っている「柿沼康二 オレ流 書の冒険」も繰り返し観ています。
科目で言えば、国語、図工になりますかね。

以上、Eテレを中心に紹介しました。
番組編成の変わる時期なので、曜日や時間はご確認くださいね。

さて、ジャンルは特定しにくいですが、民放でも、いい番組をやっているときがあります。
夜7時台、8時台が比較的打率がいいです。
よくあるクイズ番組も、広い意味での勉強、ということで、興味を示したら、観せています。

テレビ東京系のYOUは何しに日本へ?は、日本にやってきた外国人旅行者に密着するドキュメンタリーというかヴァラエティ番組ですが、これもよく観ます。
外国の人を身近に感じながら、自分の国についての発見もあり、一石二鳥のおいしい番組です。

逆パターンで、世界の意外な国や地域で暮らす日本人を追う、テレビ東京系の世界ナゼそこに?日本人~知られざる波瀾万丈伝~や、テレビ朝日系の世界の村で発見!こんなところに日本人も、みーちゃんのお気に入り。
前者がオリジナルらしいですが、口当たりがよいのか、後者を観ることが多いです。
いずれも、予算や時間、伝染病や事故の危険といった事情から子連れではとても行けない場所を(バーチャルに)旅することができるので、ありがたい番組です。

こうした異文化交流もの以外にも、タレントさんが日本の地方をぶらりと旅するタイプの番組は、社会科の勉強にもなることがありますし、また、世間話のしかた、というか、コミュニケーションのとりかたの勉強にもなるような気がします。

あと、新幹線を徹底解剖、スゴ腕医師に密着、みたいなスペシャル番組も好きですね。
いずれ、自分の将来を考えるきっかけになればいいな、と思って録画してます。

プロフィール

渡辺リエラ
1969年東京生まれ。1988年東京大学文科1類入学。1992年東京大学法学部卒業。出版社勤務、専業主婦を経て、現在、別名義にて大学講師などとして活動中。2007年7月第1子「みーちゃん」誕生。
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