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科学との付き合い方(理科についてのオススメ本)

「多面的に評価」って何?の終わりのほうで、具体的に親は何をすればいいのか、について書きました。
その1つとして、「学校の勉強をきちんとするように応援すること(主に算数・数学、理科、社会)」を挙げましたが、今回は、そのうち「理科」についてのオススメ本を紹介します。
それは、『親子で学ぶ科学図鑑――基礎からわかるビジュアルガイド』

実はこの本、うちは発見してすぐ買いました。
なんでそんなに慌てて買ったかと言うと、上野の国立科学博物館対策のためです。
現地で、あるいは帰ってから、
「あれは、どうして?」
「これは、どういうこと?」

と聞かれたときのためのアンチョコです。

実はすでに、行くたびに聞かれているのですが、忘れていたり、そもそもわかっていなかったりで、アヤシゲな説明しかできず、「マズイ、マズイ」と焦っていました。
しかも、私が学んでからの二十数年の間に新事実が発見されている領域もたぶんあるはずですが、そんなのいちいちチェックしていません。
なので、最新の情報も踏まえつつ、原理原則から簡潔に説明したものが、急ぎ必要だったわけです。

創元社サイトの詳細ページを見ると、いずれの項目も、小学校から高校までの教科書を集めてみれば、そのどこかに載っていそうな、ごく常識的な説明じゃないか、と感じる方もいると思いますが、まさにそれが、私のほしかったものなのです。
つまり、おそらくこの本には国立科学博物館に展示してあるすべての物について、ひと通りの説明が載っていることでしょう。
したがって、必ず、しかも自信を持って、子どもの質問に答えられるはず。
そして、ここが重要ですが、もしこの本を見ても質問に答えられなかったとしたら、「わからない」と胸を張って言っていいはず。
「わからない」とあっさり言うか、あるいは、この本や他の本をじっくりと読んで頑張って説明するか、その判断基準となるものがほしかったわけです。

ここまで「説明」「説明」と繰り返している私に、
「教科書的な説明より、子どもの疑問にストレートに答える本のほうがいいんじゃないか」
と感じた方がいるかもしれません。
たぶんその方は、
楽しく遊ぶ学ぶ ふしぎの図鑑 (小学館の子ども図鑑プレNEO)
好奇心をそだて考えるのが好きになる 科学のふしぎな話365 (ナツメ社こどもブックス) 日本科学未来館
のように、子どもが抱きそうな「問い」そのものとその答えが書いてある本がいい、と考えるんだと思います。

でも、それはどうでしょうか。
少なくとも小学校高学年くらいになれば、この手の本を自分で読めると思いますが、「質問力」という言葉があるように、また、「いい質問ですね」の名ゼリフで有名なニュースキャスターがいるように、問いを立てるまで、問いが生まれるまでの過程が肝心なのです。
zakzakという産経新聞系のサイトの【東大・上田正仁教授】(上)大学に入って伸びる人、社会に出て伸びる人でも、『東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方』の著者である上田先生は、
「実は「考える力」というのは現在の成績の良し悪しにかかわらず、訓練次第で誰でも身につけられるものなのです。そのための方法論として、私は「問題を見つける力」「解く力」「諦めない人間力」の3つの力を鍛えることを提案していますが、なかでも一番大切なのが「問題を見つける力」の強化です
それならまず、問題の種を見つけてみることです。これは、「気になる」「おもしろそう」「どうしてだろう」という感覚的なものに潜んでいることがよくあります」
と言っています。

それなのに、問いを外から与えられ、その答えについてあれこれ考える間もなくその回答までも与えられるとしたら、その子は科学と、ネタを消費するのと同じような付き合い方しかできないことになります。
それはあまりに残念なことではないでしょうか。
それにだいたい、その本に載っていない問いを抱いたときは、どうするんでしょ?
という次第で、もちろん、上記2冊に載っているような質問を日常的にしているような子どもだったらいいかもしれませんけど、基本的には避けたほうがいいと思います。

あと2つ『親子で学ぶ科学図鑑――基礎からわかるビジュアルガイド』をすすめる理由を挙げておきます。
まず、ヴィジュアルの美しさ
色遣いがきれいだし、図がわかりやすいので、お子さんも喜んで読むと思いますよ。
何と言っても、iPadアプリも話題となった『世界で一番美しい元素図鑑』や、ヴィジュアル誌のような斬新な事典「知の再発見」双書を出している出版社ですからね。
その辺りの選択眼は信頼していいと思います。

そして、価格が安いこと。
たしかに、税抜き2800円という価格は、子ども向きの本の中では、決して安くはないです。
でも、これだけのカラフルさ、図版の多さでこの価格は、ありえません。
おかしいな、と思って奥付を見ていて、その秘密を発見(正確には夫が第一発見者)。
「Printed in China」なんですよ。
だから、この価格を実現できたんですね、なるほど。
「Printed in China」の本は品質が悪いんじゃないか、と心配する方がいるかもしれませんけど、今や、(印刷は日本だが、その前段階の)印刷用データを中国の会社に作らせている出版社は普通にありますし、この本についても、今のところ、印刷、製本段階の問題を感じていません。

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プロフィール

渡辺リエラ
1969年東京生まれ。1988年東京大学文科1類入学。1992年東京大学法学部卒業。出版社勤務、専業主婦を経て、現在、別名義にて大学講師などとして活動中。2007年7月第1子「みーちゃん」誕生。
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