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PTA会長職から逃げ回る父親は最低だ

みなさまのお子さんの通う学校でも、来年度のPTA会長が正式に決まった頃かと思います。
うちの「みーちゃん」の学校もそうなのですが、
「PTAの会長・役員にならずに済んでラッキー!」
みたいなことを言った夫に説教したものの、ちょっと怒りが収まりそうもないので、あれやこれや書かせていただきます!

まあ、PTAというと、役員決めのとき、「どなたかやっていただける方、いらっしゃいませんか?」に全員無言で1時間が経過した、あの空気に耐えられる人だけが勝者になれる、とか、事情を言い出したらキリがないとばかりにくじ引きで決めたところ、病気療養中の方が選ばれた、その方は病気のことを言わずに引き受け、任期中にその病気で亡くなった、とか、とにかくオソロシイ話ばかりを聞かされてきたわけです。
そして、当事者になってみて1年が経ちました。
その間に感じたのは、ひとことで言えば、PTAの不合理さでした。

まず、約1年前の4月に保護者会が行われ、そのときにPTAの委員(役員の下)を決めることになっていましたが、私は仕事で行かれないので、夫に打診したところ、
「なんでキミが行かないのに、オレが行かなくちゃならないんだ」
というわけのわからない理屈で断られました。
父母とも欠席して、委員をやりたくないからバックレた、と思われるのも心外ですし、後述するような意味合いで自分の務めであると考えたので、「やってもいい」委員の欄に丸をつけて用紙を提出したところ、保護者会の行われた日の夜、前年度の委員(役員かも)の人から、「やっていただけるそうですね!」とはずんだ声で電話がかかってきて、展開の早さに驚きつつ、「はあ…」と承諾しました。
その委員の活動はそんなに負担の大きいものではなかったのですが、反面、活動にあまり意味があるように思えませんでした。

そして昨年12月だったと思いますが、来年度のPTA役員決めの会が行われました。
「今年は私が委員をやったんだから、あなたが行ってよ」
と強く主張し、夫を派遣しました。
夫によると、1年生2クラスの約60名のうち、「出席する」と返事をしていたのが約20名。
しかし、実際に来たのはヒトケタでした。
欠席者には、他の学年(兄、姉)で来年度役員をやる予定の人、今年度、他の学年でやっている人もいます。
「役員をできない事情」(病気、介護など。出欠を書いて提出する際、記載を求められました)のある人もいます。
問題は、「出席する」と言いながら来なかった、十数人です。
現役員が、
「出席者が少ないので、今日は決められませんね、年が明けたらまたやりましょう」
と言ったので、夫は、
「冗談じゃない! こっちは時間作って来ているんだ!」
と抗議したらしいです(夫はやや短気なところがあります)。
実際、仕事を休んで来ている人もいたそうです。
すると、現役員は、
「来ていない人に不利益を与えることはできないので、勝手に決めるわけにはいきません。来ている方は責任感の強い方ですから、その中から選びましょう」
と言った模様。
それじゃ、逃げたもん勝ち、じゃないですか。

さらに、PTAの運営方針にも不可解なところがありました。
「可能な範囲でやっていただければ」と言いながら、会議があるのは、決まって平日の10時から12時で、「関係する回には必ず出席してください」。
短気な夫が、
「どうして夜や土日にできないんだ」
と問い詰めたところ、
「働いていないお母さんがいるから」
と、よくわからない回答が返ってきたそうです。
働いているお母さんやお父さんが夜や土日の会議に出られるなら、働いていないお母さんだって出られるでしょうに。

結局、あるママが、
「こういう、出席すると言いながら来ないとか、無責任なのは嫌だから、私やります」
と手を挙げてくれました。
あと、見るからに苦労人という感じのママも引き受けてくれたそうです。

そんなこんなで、なんとか役員は決まったものの、全家庭による無記名投票でも、そこで票の入った人が集まった会でも、会長が決まらず、最終的に、現会長から直接口説かれたパパが引き受けてくれました(会長は男性がなる、という不文律があるらしいです)。
ちなみに私は、先日行われた、来年度の委員を決める保護者会も仕事で出られず、悩んだ末に、「やってもいい」委員の欄に丸をつけて用紙を提出したところ……めでたく当選となりました。
1年前と同じパターンです(涙)。

それなのに!
夫が「PTAの会長・役員にならずに済んでラッキー!」みたいなことを口走ったのです。
たしかに、PTAは、上で挙げたように、いろいろな点で不合理です。
でも、子どもが通う学校にかかわることは親の義務だと思うし、もっと言うと、高等教育を受けた人の務めだと思うのです。
「ノブレス・オブリージュ」と言ってしまうと、それこそ、第一次世界大戦のとき、イギリスの上流階級の子弟の1/3が戦死した、みたいな話になってしまい、イメージが限定されすぎてしまうかもしれませんが、心情的にはそう表現したいくらいです。
私は、うちの夫を含め、名の通った大学を出てそれなりの職についているホワイトカラーの人たちがPTA会長職にならずに済むように逃げ回ったのは、とっても格好悪いと思います。
彼らは、いったい何のために大学で高等教育を受けたんだろ、とさえ思います。

高等教育って、なんでしょうか?
私は、広い意味で世の中を引っ張っていく人を育てることだ、と思います。
上場企業の幹部候補生となって出世するための準備期間でも、高収入を得て安定した生活を営む手段でもありません。
会社だけでなく、地域共同体や子どもの学校その他、規模も目的もさまざまな集団をまとめ、維持していく人になるための陶冶(とうや)の場です。
でも、うちの夫を含め、PTA会長職から逃げ回った男性たちにとって、高等教育は、いい会社に入って、いいお給料を定年までもらうためのパスポートでしかなかったんでしょうね。
残念です。
そういう意味での高等教育が、これからはまったく意味がないことは地元の公立小中で大丈夫の後半などで書いてきました。
これからの高等教育は、さまざまな集団の意思決定を担う人を育てるものでなければいけません。
それがわからない子ども――ほぼ100%、その子の親もわからないのでしょうけど――に高等教育を受けさせる必要はないし、そんな余裕などない時代になっていくのでしょうね。

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プロフィール

渡辺リエラ
1969年東京生まれ。1988年東京大学文科1類入学。1992年東京大学法学部卒業。出版社勤務、専業主婦を経て、現在、別名義にて大学講師などとして活動中。2007年7月第1子「みーちゃん」誕生。
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