ついに、自分で作ったお米を食べる日がやってきました!
9月29日(日)、神奈川県相模原市にある知人の知人Nさんの田んぼにおいて、脱穀イベントを実施しました。
6月に田植えをして、7月に草取りをし、1週間前に稲刈りをした、あの田んぼ(《田植え&稲刈り体験》田植えイベントを開催しました、《田植え&稲刈り体験》草取りイベントを開催しました、《田植え&稲刈り体験》稲刈りイベントを開催しましたを見てください)です。
予定では稲刈りの2週間後にするはずだったのですが、稲刈り当日にお米の水分量を量ったところ、やや乾いていたので、1週間後となりました。
もちろん、水分量次第なので、雨が降るなどすれば事情は変わってくるのですが、そのまま決行となりました。
そういう日程の問題もあって、参加したのは3家庭と少なめ。
大人6名、年長組を中心に2歳から小3まで、子ども5名。
偶然ですが、全員女の子でした。
作業が終わっている田んぼで持参したお弁当を食べてから、作業開始。
脱穀は手作業ではなく、機械を使います。
風のない日だったので、ホコリ対策でマスク着用です。
掛け干ししておいた稲の束を脱穀機にかませるだけなのですが、コツがあるみたいで、なんかうまくいきません。
Nさんは小学3年のYちゃんのやり方を大絶賛。
「センスがある」そうです。
Nさんは小学生を数多く指導しているのですが、「こんなセンスのある子はいない」そうです。
脱穀の、しかも機械を使っての脱穀のセンスって、いったいなんだ~!
ただ、たしかに、Yちゃんのやり方を見ていると、作業がとっても簡単そうに見えるんです。
でも、自分がやると、うまくいかない。
他の人のやり方も観察しました。
Yちゃんのやり方と他の人のやり方、なんとなく違います。
しかし、具体的にどこが違うのか、よくわかりません。
だからこそ、「センス」なんでしょうねえ~。
という次第で、機械を使うわりには難しい作業でした。
時間も1時間ほどかかりました。
子どもたちはちょっとお手伝いしたら、あとはそこらじゅうでピョンピョンしているアマガエルやトノサマガエルを追っかけて遊んでいました。
7月の草取りのときにカエルをさわれなかった子が、カエルを手で捕まえられるようになりました。
観察のため、ちょっと虫カゴに入ってもらっています。
さて、脱穀で籾米とわらとに分けられます。
籾米は軽トラックでNさん宅へ。
脱穀機からわらの束が落ちてくるので、さらに束ねて、積み上げていきます。
すると、わらのベッドの出来上がり。
アルプスの少女ハイジのベッドは干し草のベッドですから、それよりかたくてチクチクしますが、“気分はハイジ”です。
子どもたちは大人にベッドの上に放り投げてもらったり、ジャンプしたり、大はしゃぎでした。
その後、凧あげに挑戦しましたが、この日は風がなくて、断念。
「風さえあれば100%あがる凧」なんですけどね(《田植え&稲刈り体験》草取りイベントを開催しましたを見てください)。
汗びっしょりになったので、地域センターのお風呂に入ってすっきりしてから、Nさん宅へ。
籾米が白いお米になるまでを教えてもらいます。
まずこれが乾燥機。
コンバインで稲刈りから脱穀まで一気にやる場合は(2つの作業をやるから、結合するという意味の「コンバイン」という名前がついているのですね~体験してみてよくわかりました)、掛け干しができないので、籾米の状態で機械で乾燥させます。
今回は掛け干しをしているので、使いません。
使うのは、石抜機(写真右)と米選機(写真左)。
石抜機では、今回の収穫量141kgに小さな小さな石が5個見つかりました。
これだけのことに1工程かけることに、正直驚きました。
でも、たしかに消費者としては、お米に石が混ざっているのはとてもイヤなものではあります。
米選機は未熟米を取り除くもの。
子どもたちは、コンバインや籾殻(籾米を玄米にしたときに出るカスのようなもの)が気になったようでした。
今回の収穫量は、前述のように141kg。玄米にすると115kg(白米にすると100kg相当。数字はもう少し多かったかもしれません)。
田んぼは4畝(120坪。10m四方3枚分)で、予想より少し少ない気もしますが(脱穀が下手で、わらに籾米が残っていた可能性もあり)、Nさんの他の田んぼの収穫量とだいたい同等とのこと(猛暑の影響もあるようです)。
素人集団、頑張りました!
玄米を精米してもらって、持ち帰り、その日の夕食にいただきました。
十分に水に浸さなかったので、少し固めでしたが、それもまたよし!
自分で田植えからやったお米を食べる気分は、格別です。
子どもたちも、
「またたんぼにいきたい。たうえをやりたい」
と言っていました。
興味深かったのは、まだ稲刈りをしていない田んぼが多かったこと。
私たちは、猛暑の影響により2週間も稲刈りの日程を早めたというのに(結果的には1週間の前倒しとなりましたが)。
しかも私たち、お米が乾いているからと、脱穀の予定も1週間早めているのです。
その段階でまだ稲刈りもしていない田んぼのお米は、カラカラに乾いているのではないか……。
でも、Nさんによると、それはそれでよいのだそうです。
つまり、そういう田んぼの持ち主は、年中行事として田植えや稲刈りをやっているのです。
(やや極端な言い方をすれば)お米の状態とは関係なく、毎年同じ時期に稲刈りをやる――それが大事。
そういう生活もいいな、と思いました。
地に足の着いた生活というか、田んぼのある生活、ザ・日本の生活というか。
あるいは、四季のある日本らしいエピソードとも言えそう。
ご先祖様がやってきたことを毎年繰り返す、そしてタスキを次世代につないでいくという、悠久の時の流れの中に自分がいるという感覚。
ちっぽけな存在かもしれないけれど自分は、歴史の中に確実に場所を占めている、ということから来る安心感、安定感。
これぞ、まさに保守ですね。
対照的なのが、知人の田んぼ(その知人が革新的な人、という意味ではありませんヨ)。
食味を重視している知人は、お米の水分量をきっちり量り、台風の来る前日に稲刈り・脱穀を終わらせました。
その知人が作ったお米はいつも美味しいです。
「いまいちだな~」
と言いながらくれたお米も、どこが「いまいち」かわからないくらい美味しいです。
農家さんにもいろんなスタンスがあるということですね。
念のために言っとくと、知人は兼業農家です。
職業的な厳密さを家業にも適用している、という感覚なのかな?
台風で1週間稲刈りを延期した私たちは、年中行事派と食味重視派のあいだにいる、わけですね。
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