この日、退院しました。
出産準備は少しずつやっていましたが、実際にみーちゃんが産まれてはじめてわかるニーズもありました。
かあさまの場合は、授乳用クッションと、赤ちゃん用の爪切り。
授乳用クッションは、ドーナツ状のクッションで、かあさまのお腹をグルリと囲むようにセットして使います。
クッションの上に赤ちゃんを載せると、ちょうど赤ちゃんの口がおっぱいの辺りに届く――つまり、授乳時に、赤ちゃんの体重を受け止めなくてよくなり、とても楽なわけです。
赤ちゃん用の爪切りは、みーちゃんが(おそらく多くの赤ちゃんも)いつも手を握っていて、爪が伸びていると手のひらに傷がついてしまうから、必要になりました。
自分ではまだ買い物は無理なので、両方とも、義母に買ってきてもらいました。
書道の心得のある義母は、クッション、爪切りと一緒に、決まったばかりのみーちゃんの名前を書いた半紙を持って来てくれました。
お七夜の命名書、というわけです。
お七夜は、赤ちゃんの誕生から7日目の夜のこと。
厳密に言うと、この日は満5日。
数えでも6日目で、お七夜ではないのですが、せっかくなので、命名書とともに、代わりばんこに、みーちゃんを抱っこして記念撮影しました。
いい写真が撮れました。
ずいぶんいい加減な「お七夜」でしたが、自分で祝い膳を支度する体力はないですし、仕出しを頼んでも、食べられなくてつまらない……。
なぜかと言うと、お七夜の祝い膳に付きもののお赤飯は、もち米で作ります。
かあさまが出産した助産院は、
「もち米を食べるとおっぱいが張るので、絶対ダメ!」
と指導していました。
祝い膳には、お赤飯以外にも、(助産院の味付けに比べると)味の濃い物、甘い物がたくさん入っています。
したがって、助産院基準では、
「授乳中のママが祝い膳を食べるなんて、トンデモナイ」
ということになります。
で、まだ5日目の初心者ママに、指導に逆らう“度胸”などあるはずもなく(笑)……という次第なのです。
(類似パターンをご紹介すると、院長先生は、
「お見舞いに来てくれる人には『お菓子や果物は持ってこないで』と言うのよ~」
と指導していました。)
ただ、お七夜の祝い膳に関しては、後から、
「ちゃんとやればよかったな」
と思ったのも事実。
なぜか。
まず、そもそもお七夜とは何でしょうか?
この辺りから整理しておきましょう。
神社本庁サイトの「出産と育児に関する神事について(その2)」によると、
七日目のお七夜には、子供の命名をして親類や隣近所の方などを招いてお祝いの席が設けられます。この際に名前を書いた紙を神棚や床の間に貼り、家の神様に家族の一員としてお守り戴くようお願いをします。昔は子供が誕生しても、必ずしも無事に育つとは限らなかったことから、「七日目」を大事な節目とし、お祝いをしたのが始まりです。
……あっさりしているので、もう少しくわしい説明を探してみました。
福島県伊達郡にある三吉神社は、「伝統行事」のページで次のように解説しています。
生後7日目のお祝いで、生まれた子に名を付け、社会の一員として仲間入りしたことを認めてもらう儀式。
古く日本では、誕生間もない新生児の生命は、産神(うぶがみ)の保護下にあると信じられた。産後すぐに死亡してしまうことが多く、したがって、お七夜はその成長を確かめる大切な折り目でもあった。子に名が付けられるのは、人間として存在できるようになったことを意味する。 産神は「うぶのかみ」ともいい、出産の前後を通して、妊婦や新生児を見守ってくれると信じられている神である。また、お七夜は父親の産の忌みが明ける日でもある。
名付けは、一般にはお七夜に行われる。役場への出生届は戸籍法に基づき、生後3日目から14日までに済ませなければならない。同時に、名前も届け出ることになっている。
名前が決まると、名付け親は奉書などの白い紙に清書し、神棚に供えたり、床の間に貼っておく風習がある。
つまり、生後数日は赤ちゃんが亡くなる確率が高く、それゆえ昔の人は、赤ちゃんはまだ神様の領域にいる、と考えていた。
そして、7日目になってはじめて、
「まだまだ油断はできないけど、一山越えたぞ」
という思いから、赤ちゃんに名前を付け、人間の世界に迎え入れた、というわけなのです。
そういう由来を知った後、
「なんてめでたい日なんだろう。儀式を通して、その喜びをかみしめたかったなあ」
「もっときちんとお祝いをしてあげればよかった。不勉強な母でごめんね、みーちゃん」
と思いました。
昨年には、新生児(生後2か月で死亡)にビタミンKを与えなかった助産師が、母親から損害賠償を求められるという事件もあり、とりわけお七夜の意味を重く受け止めています。
(この件は、助産院で出産した私にとって他人事ではないですし、とても重要なことだと思うので、別エントリで取り上げます。)
以後、かあさまは、伝統行事に情熱を注ぐことになります。










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