生後5日 その1で触れたように、生後数日は赤ちゃんが亡くなる確率が高く、それゆえ昔の人は、赤ちゃんはまだ神様の領域にいる、と考えていました。
そして、7日目になってはじめて、
「まだまだ油断はできないけど、一山越えたぞ」
という思いから、赤ちゃんに名前を付け、人間の世界に迎え入れた、というわけなのでした。
それがお七夜の意味です。
科学技術が発達したにもかかわらず、今もなお、生後数日は赤ちゃんが亡くなる確率が高いそうです。
生命の誕生とは、厳粛で神秘的なものなのですね。
ただ、昔に比べたら、赤ちゃんが亡くなる確率は圧倒的に下がっているはずです。
それは、医師や助産師、看護師、研究者など、多くの人の知恵や経験の集積によるもの。
その陰には、多くの人のたゆまぬ努力があったことでしょう。
この場を借りて、敬意と感謝の念を捧げたいと思います。
ところが、世の中にはいろんな考えの人がいるものです。
先人から伝えられた知恵や経験をないがしろにしたために、失わなくてもいい幼い命が失われた可能性があります。
何を指しているかというと、一昨年に報道された、新生児(生後2か月で死亡)にビタミンKを与えなかった助産師が、母親から損害賠償を求められるという事件です。
この事件については、ウィキペディアが簡潔にまとめています。
「山口新生児ビタミンK欠乏性出血症死亡事故」
この事件は、助産院で出産した私にとって他人事ではないです。
これは、みーちゃんと私だったかもしれない、というくらいにリアリティがあります。
あっ、と言っても、私が出産した助産院がホメオパシーを採用していた、というわけではないんですよ。
妊婦検診でも、お産でも、入院中も、その後も、「ホメオパシー」について聞かされたことはなかったですし、日本ホメオパシー医学協会の「提携クリニック」の「助産院」のページにも載っていなかったので。
実際、みーちゃんはビタミンKのシロップを飲んでいます。
母子手帳にも「VK内服」というハンコが押され、産まれた当日の日付と、生後5日目の日付が記入されています。
ちなみに、横には「先天性代謝異常検査済」というハンコが押され、生後5日目の日付が書かれています。
別のページには、後日受け取った先天性代謝異常等検査報告書が貼られています。
検査結果は正常、となっています。
これらの処置は、ごく普通に、
「こういうのをやるからねー」
と説明され、
「はーい」
という感じで、進みました。
でも、恐ろしいことに、当時の私は、新生児はビタミンKのシロップを飲まなくてはいけない、ということを知らなかったのです。
プレママ日記を読んた方にはおわかりいただけると思いますが、産むのに必死で、産んだ後のことなんて、ほとんど考えてなかった。
だから、助産師が、
「ビタミンKのシロップを飲ませましょう」
と言ってくれなかったら、その必要性すら気付かなかっただろうし、もし仮に助産師が、
「これはビタミンKよ」
と言ってレメディを与えても、見破ることはできなかったはず。
まあ、そういう非科学的な助産師さんにあたらないために、いちいち、
「なぜ?」
「どういうこと?」
と問う、理屈っぽくてめんどくさい妊婦であろうとしたのですが(正確には、もともと理屈っぽくてめんどくさい人なのですが)。
それでも、自分が十分な知識のないまま助産院で出産したことに気付いて、ゾッとしました。
もちろん、厚生労働省も(助産所における乳児に対するビタミンK.シロップの投与について)日本助産師会も(「ホメオパシー」に関する調査結果の公表について)少しずつ動いているようですし、今後、このような事件はまず起こらないだろうと思います。
でも、絶対ないとは断言できない。
それは、Putoriusというサイトの「助産師会とホメオパシーとの濃密な関係」にコメントを寄せている日本助産師会の会員mwhikariさんの2つめのコメント(コメントとしては3つめ)中ほどにあるように、
助産師でなくても、医療従事者は、その人の持つ自己治癒力というものを
最大限に引き出したい、待ってみたいという気持ちを持っているものだと思います。
ただ、その見極めが難しく、また、それぞれの個性の出るところなのだろうと思います。
という点からです。
つまり、薬や手術に頼れない助産院と、ホメオパシーやその他の代替医療は、本質的に相性がいい。
それは否定できないのではないか。
そして自然分娩もまた、薬や手術には頼れないのです。
陣痛促進剤あたりには頼れるかもしれないけど、最終的に赤ん坊を産み出すのは、ただ妊婦自身の力(と、出ようとする赤ん坊の力)なのです。
このへんの感覚は、男性、とくにネット上に生息する理系男性(念頭に置いているのは、ホメオパシーや助産院をガンガン叩いているブログとかです)には、やっぱり理解しにくいところなのかなあ……という気もするのですが、先を急ぎます。(ご意見がありましたら、コメントをお寄せください。私の出産レポートを読みたい方がいらっしゃったら、ついに……(39週5日)をご覧ください。)
つまりは、魔女狩りみたいに助産師や助産院を否定すれば、問題が解決するわけではない、ということです。
それに自然分娩を否定したら、人間が動物であることを否定することになるとか、そういう哲学的なレベルの話はさておき、現実的な問題として、産科がパンクしてしまうでしょう。
どうしたらいいかと言ったら、妊婦がしっかりするしかないんじゃないかと思うのです。
自戒を込めて言いますが、知識を持つ、自分の頭で考える、ということ。
1つの意見を仕入れたら、反対の意見にも耳を傾ける。
その時に役立つのは、ひょっとしたらこちらのサイトかもしれません→助産院は安全?
(助産院で産むかどうかを問わず、胎教という観点からは、妊婦さんは読まないほうがいいかもしれません。旦那さんなどに読んでもらった上で、相談相手になってもらうのがベストだと思います。あるいは、妊娠前に読んでおくか。)
別の言葉を使うなら、助産師なり、医師なり、自分以外の誰かに依存し過ぎない、ということです。
そういう妊婦はめんどくさいので、嫌がられるかもしれません。
でも、嫌がられるくらいが、子どもを本気で守るためにはちょうどいいのではないか、と思います。
さてさて、本来のママ日記に戻りまして……
夜、みーちゃん、泣く、泣く。
とうさまは、隣の部屋へ逃げました。
おっぱいがついてない人はいいよなあ、逃げられて。










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