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不登校新聞への寄稿とその反応

不登校新聞という、不登校界唯一のメディアがありまして、そこの編集長と親しくなって、「最近こんなことあったんですよ~つらいですよ~」と愚痴ったところ、「それ、書いてくださいよ」と言われ、寄稿しました。

「あいつと話すとホントに疲れる」不登校の子の母と校長のバトルレポート

内容をひとことで言うと、「週3日登校したいと言ったら毎日来いと校長から言われた」というものです。

なお、タイトルは編集部がつけました(^^)
私個人には、校長のことを「あいつ」と呼ぶ感覚はありません。
でも、「あいつ」と呼びたいと思っている人がたくさんいることは理解しています。

そして転載先の東洋経済オンラインでもピックアップされて、受けがよかったらしいです。

不登校の子をめぐり母と校長が対立したワケ

けっこう読まれているからこそ、なんでしょうけど、コメント欄を見たら嬉しいものもあればグサッと来るのもあり……そこで、ここで勝手に回答・反論してみたいと思います。

「唐突に始まって唐突に終わる」

不登校新聞から続編の依頼がありました。
お楽しみに!

「そもそも親が不登校を許すなよ。引きずってでも連れて行くんだよ」

2016年12月に「教育機会確保法」という法律が成立・公布されていまして、2017年2月に完全施行されています。
この法律の正式名称は「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」と言いまして、不登校の子どもに、学校外での多様な学びの場を提供することを目的とした法律です。
それまで国の不登校対策は「引きずってでも連れて行くんだよ」的と申しますか、要は学校復帰を前提としていましたが、これを転換し、教育機会確保法13条はなんと「個々の不登校児童生徒の休養の必要性を踏まえ」と言い切っています。
「休養の必要性」というのは、ぶっちゃけ、学校を休んでいいよ、ということですね。
それより前、2016年9月の不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)では、国は「不登校とは,多様な要因・背景により,結果として不登校状態になっているということであり,その行為を『問題行動』と判断してはならない」と明言しています。
というわけで、たしかに親が不登校を許すかどうかはその家庭の方針によるのかもしれませんが、少なくとも国は不登校を許しているわけです。

「週3日だけ来られても授業について来られるかわからない」

当事者である子ども(東京都23区内の公立小学校5年に在籍する11歳)に
「学校の授業はどう?」
と聞いてみました。
子どもは
「つまらない」
「勉学への欲望が生まれない」
と言いました。
どういうことでしょうか?
意味を説明させたら、すっごくわかりやすかったので、記録として残しておきます。

「どの先生も、5分で済む話に45分かけている。いらない部分を省いてほしい。
論理的にこうならこう、はわかるから、説明しなくていい。
まず、簡単な問題の解き方を教えてほしい、そしたら自分でやってみます。
それでわかったら、難しい問題や変わった問題、例外問題の解き方もわかるので、教えてくれなくていい。わからないときに教えてもらえればいい」

つまり、自分で考えてみたいのに先生が全部説明してしまうから、45分のうちの40分が、学ぶ喜びを得られない不毛な時間になっている、ということのようです。

それでは、教室のみんながみんな、そう思っているのでしょうか?

「クラスメートはほとんどわかっていない。なぜならば、ほとんどが一生懸命先生の話を聞いていて、でも、手を挙げないから。
手を挙げる人は『いつメン』。つまり、いつものメンバー。
先生は『なぜ「いつメン」なの? わかったら手を挙げて』と言っている」

つまり、クラスのほとんどにとっては、必要な時間、いやもっと時間が必要なのかもしれません。
その点についてはここでは論じませんが、少なくとも、ウチの子どもが、週3日登校だから授業についていけなくてクラスメートに迷惑をかけている、ということはなさそうです。

「学校生活で学ぶべき勉強以外の分野をどうフォローすべきか?」

子どもの話を続けますと、

「自分は登校した日は『いつメン』だが、簡単な問題には手を挙げないようにしていた。
それは、そういう問題しか手を挙げられない子がいると思うから。そういう子の『勉学への欲望』を邪魔してはいけないから。
『いつメン』は35人中5人くらい。それ以外にもわかっている子はいるかもしれない。
では35人中わかっているのは何人だろう、などと客観的に分析し、みんなを見守りたいが、みんなとしては、ジロジロ見られるのは嫌だろうし、自分としても、それで得られる情報がこの先役に立つとは思えない。
この世界にこういう人がいるという教科書、標本にはなると思うけれど、もう、この世界にこういう人がいるということはわかっているから」

「学校生活で学ぶべき勉強以外の分野」は実に多義的ですが、仮に私がなぜ学校へ行くのか・その1などで主張しているように「集団生活に適応する訓練」と理解するならば、子どもは集団生活に適応する訓練は十分済んでいると感じますが、いかがでしょうか?

という次第で、「わからないときに教えてもらえればいい」子どもは、結論としては、
「個々に合わせたペースで進めさせてほしい。マンツーマンが一番嬉しい」
と言って、記事中でも触れている不登校学習サポートを受けはじめています。

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プロフィール

渡辺リエラ
1969年東京生まれ。1988年東京大学文科1類入学。1992年東京大学法学部卒業。出版社勤務、専業主婦を経て、現在、別名義にて大学講師などとして活動中。2007年7月第1子「みーちゃん」誕生。
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