2017年01月

続・親子で考えるパラリンピック(家庭で行う探究型の学び)

親子で考えるパラリンピック(家庭で行う探究型の学び)の最後に、
「この「お知らせ」を起点として、これからの4年間、パラリンピックやオリンピック、さらには人間と科学技術について、親子で考えていく予定です」
と書きましたが、早速その機会が訪れました。

NPO法人 幼児教育従事者研究開発機構が主催し、株式会社 侍が共催、三菱商事が特別協賛している「DREAM AS ONE.×父子チャレンジアカデミーSPECIAL FES.」です。
学校で配布されたチラシで知り、申し込みました。
実施からだいぶ日にちが経って、記憶が薄れてきてしまったので、私の感じたこと考えたことメインになってしまいますが、レポートしたいと思います。

客観的なレポートとしては、公式サイトの活動報告や取材記事、例えば、FACTA ONLINEの夢の島競技場に8人のトップアスリートが集合。障がいのあるなしにかかわらずスポーツに親しむスペシャルフェスを開催!などをご覧くださいませ。

さて、こちらのイベントに参加しようと思った第一の目的、それは義足の体験でした。
みーちゃん制作の「お知らせ」にも書いたように、2012年のロンドンパラリンピック陸上走り幅跳びで金メダルを獲得したマルクス・レーム選手は、2016年のリオパラリンピックでも、8m21の大会新記録で金メダルを獲得しました。
リオオリンピックの金メダル記録は8m38。
17cmしか差がありません。
レーム選手は「夢はオリンピックに出ること」と言っています。
しかし、義足を付けていることを理由として、リオオリンピックへの出場は認められなかったようです。
義足を付けているのは不公平、ということでしょうか?
でも、記録を伸ばすために、シューズは日進月歩で改良されているわけですよね?
最新のシューズを履いていることは不公平ではないのでしょうか?
シューズと義足は、どう違うのでしょうか?
いったい、義足ってどんなものなんだろう――そういう趣旨で、体験しようと思ったのでした。

ところが、リオパラリンピック男子陸上400mリレー銅メダリストの佐藤圭太さんに励ましてもらいながら体験したものの、実際に履いてみると、かなり難しかったようです。
両脚の長さが同じだから義足を付けるとバランスを取りにくい、ということはあると思いますが、もっと根本的にバランスを取ることが難しい、ということのようです。
これで跳ぶとか、走るとか、すごいなあ、と思いました。
こちらの画像では、元陸上選手で大会アンバサダーを務める為末 大さんが、なんと両足に義足をつけて走っていますが、これは為末さんだからできることです!
パラ義足02

実際、パラリンピック5大会連続出場、陸上男子走り高跳び4位入賞の鈴木 徹さんは、
「競技用の義足は扱いが難しい」
と話していました。
画像のように、手を放して落下させたときに、どのくらい弾むか、あるいはバランスを崩して倒れるか、といった予測が難しいようです。
パラ義足01

義足のバランスを保てるポイントに適切な力が適切な方向に加わるようにして、義足の性能を最大限に引き出すのは、たぶん相当難しいのだろうと感じました。
前掲「親子で考えるパラリンピック(家庭で行う探究型の学び)」では、

「1つは、パラリンピックの意味が変わりつつあることへの理解です。
レーム選手やほかの選手がオリンピックへの出場を希望したとき、認めるべきでしょうか?
仮に認めなかった場合、東京パラリンピックで、レーム選手らがオリンピックの金メダル記録を上回る記録を出す可能性は、十分にあります。
そうなると、どこまで記録が伸びるのか、という興味から、俄然、パラリンピックを観るのが面白くなってきますし、なぜ義足をつけた選手はオリンピックに出られないのか、オリンピックとはそもそも何か、という本質までさかのぼって議論せざるをえなくなるでしょう。」

と、さも簡単に義足の選手がオリンピックの記録を上回ることができるかのような書き方をしてしまいましたが、それは、決して簡単な話ではないのです。
義足には弾力性がありますので、その点ではたしかに競技に有利ですが、動きを制御するのは人間の技術です。
その技術を味わうのがパラリンピック観戦の醍醐味、ということなのかもしれません。

「Yahoo!ニュース 個人」亀松太郎さんのアンドロイド研究の石黒教授「パラリンピックのほうが人間らしい」によると、石黒先生が、

「人間というのは、もともとの定義において『技術を使う動物』『技術を使うサル』だと言われているんです。技術と切り離したら、我々は猿になってしまう。だから、オリンピックは不自然だと思うし、何年か先かわからないですけど、少なくとも50年も経ったら、(オリンピックとパラリンピックの地位が)逆転していると思います」

と言っていたそうですが、そことつながりそうです。

結果的にみーちゃんが最も楽しんだのは、ウィルチェアーラグビーの体験でした。
日本代表でリオパラリンピック銅メダリストの池崎大輔さん、今井友明さんから直接指導を受けられるわけですからね!
パララグビー

年齢にしては度胸はあるほうだと思いますが、タックルがとても怖かったそうです。
お二人のデモンストレーションは、たしかに、吹っ飛ばされそうなくらいの、ものすごい迫力でした。
もちろん、子どもに対しては、体格を見ながら計算して仕掛けてくださっているわけですが、デモのイメージが残っていますから、本人はとてもドキドキしたと思います。
私は、ウィルチェアーは壊れないだろうか、直すのにいくらくらいかかるんだろうか、と、そっち方面でドキドキしていました(夢がなくてすみません…)。

タブレットの次のオススメ

当サイトではお子さんのタブレット使用をお勧めしていまして、プレゼントのオススメ「タブレット」では、選ぶ際のチェックポイントをいくつか提示しています。

タブレット使用をお勧めする理由は、いよいよ来るぞ、学習の個別化――スマイルゼミの場合で書きました。
我々の子どもたちが生き抜かねばならない時代とは、知りたい情報に到達できるのは当然であり、到達した後の、情報の真贋、軽重を見極めて、それらを組み合わせ、自分なりの解を導き出せるか、が問われる、とても過酷な時代です。
せめてインターネットを使いこなして知りたい情報に到達できるようにしておかないと、日本の子どもたちは世界中のライバルたちに太刀打ちできません。

(なお、スマホは悪か?で、スマホやタブレットを利用する際の注意点を挙げていますので、気になる方はチェックしてみてください。)

という次第で、2年半ほど前に購入した私のiPad Airは、ほぼみーちゃん専用となっています。
(どんな設定で使っているかは、iPadの「ファミリー共有」をためらう、たった1つの理由に書きましたので、気になる方はそちらをどうぞ。)

ところが、先月のクリスマス前、プレゼントの希望を尋ねると、
「パソコン」
と答えるではありませんか。
「タブレットを使っているじゃない? そのうえに、パソコンも? 私だって、新しいパソコンがほしいんですけど……」
とつぶやきつつ、子連れで家電量販店へ向かいました。

みーちゃんがまず、食いついたのは、ドローン。
コントローラーをいじりまくっています。
しかし、今の段階で「ドローンがほしい」とか言われても困るので、追い立てるようにパソコン売り場へ。

しかし、パソコン売り場でも、キーにさわって、ガチャガチャしているではありませんか。
イラっとした私は、
「あなたは、パソコンで何をしたいの? なんでパソコンがほしいの?」
と単刀直入に尋ねました。
すると、
「そうさしたい」
という答えが返ってきました。
操作、ですね。
ああ、そうか、と思いました。

彼女にとって、パソコンかタブレットか(さらにはドローンか)や、CPUやメモリがどのくらいすごいか、はどうでもよかったのです。
彼女がこだわっていたのはインターフェース、と言うとカッコよすぎるかもしれませんが、要は、カチャカチャと叩けるキーボードがほしかったのです。
だから、「iPad Air2がほしい」でもなく、「iPad ProとSmart Keyboardがほしい」でもなく、「MacBook Proがほしい」でもなく、「パソコンがほしい」だったのです。
(もう少し知識があれば、「iMacとMagic Keyboardがほしい」だった可能性はありますが……。)

これは、コンピュータがどんどん小さく薄く、そして速くなるのを横目で見ながら年齢を重ねてきた私には、かなりの衝撃でした。
インターネット・ネイティブで、デジタル・ネイティブな世代においては、コンピュータが小さくて薄くて速いのは当たり前だし、コンピュータの中身すらどうでもよくて(どれを選んでも変わりないから、あるいは、中身がどうなっているかは、これからは人間にわからない時代になるから)、接点の部分の快適さが重要なんですね。

これからの世界では、余暇を上手に楽しめる人が勝ち組では、メディアアーティスト、筑波大学助教・落合陽一さんの著書『これからの世界をつくる仲間たちへ』(小学館)をオススメしていまして、同書では、「これからの世界」の人間が「人工知能のインターフェイス」として働く場面が描写されています。
例えば、工事現場の人たちが、「ヘッドマウントディスプレイのようなものを装着して、そこに表示されるコンピュータが最適化した工程通りに工事を進め」るわけです。
つまり、人間がコンピュータの手足となる時代!
コンピュータと人間との接点を重視した選択は、これからの時代にマッチした選択だったわけです。

そこで、速やかに同じフロアのキーボード売り場に移動し、iPad Airに接続できるキーボードをお店の人に尋ね、教えてもらった製品にさわらせました。
しかし、どうも違うようです。
どういうものがほしいのか、考えさせると、あれこれさわった後、「これがいい」というものが出てきました。
それは、キーボードとしては高価格帯に属する、やや重いタッチのキーボードでした。
私は、「子どものくせに……」という言葉を飲み込んで、お店の人に、そのまま伝えました。
そうしたら、ありがたいことに、お店の人は、生意気な子どもを非難することも、親バカを笑うこともなく、真摯にニーズと向き合ってくれました。
その結果、選ばれたのが、

FILCO Majestouch Convertible 2 Tenkeyless 青軸・テンキーレス・英語 US ASCII

です。
iPad AirとBluetooth接続でき、キーの意味などがiPadと近いために違和感なく使え、しかも、子どもに無理のない範囲で最大限重めのタッチのキーボードです。

まったく同じものが見つからなかったので、似ている製品をご紹介しておきます。

TSUKUMOサイトの爽快打鍵!番外編 FILCO Majestouchキーボードまとめ特集では、「カチャカチャの青軸」とされ、「接点部にはっきりとした感触があり、カチッと高い音がなるため、メカニカルらしい爽快な入力が実感できます。特にゲームユーザーに人気の高いスイッチです」と書かれています。
青軸はまさに、みーちゃんが望んだ「カチャカチャと叩けるキーボード」なわけです。

ちなみに、「メカニカル」については、日経トレンディネットのキーボードの売れ筋、2大勢力はMajestouchとRealforce――ツクモに聞くで、「メカニカルキーボードはキー単位で独立したスイッチを配置する構造で、高級機の定番のひとつだ」と説明されていました。

Bluetooth接続のしかたまで親切に教えてくれたビックカメラ新宿西口店の店員さんに感謝しつつ、税込16,480円で購入しました。
iMacとMagic Keyboardを「これで文句あっか~!」とドヤ顔で買い与えるより遥かにお安く済みましたし、「カチャカチャ言わないよ~」と文句を言われることもありませんでした。
もちろん、現在、大活躍中です。

タブレットつながりで、蛇足ながら一言。
アプリゼミ、ダウンロードしましたか?で絶賛したDeNA(ディー・エヌ・エー)のアプリゼミの再開を待ち望んでおります。
DeNAプレスリリース通信教育アプリ「アプリゼミ」同じ勉強時間でより効率的な学習が可能で、学習効果も期待「小学1年生講座」の提供を開始によると、「今後2015年春に「小学2・3年生」、以降「小学4・5・6年生」講座を順次立ち上げ、将来的には中学・高校までの展開も見据えています」とのことでしたが、小学1年生だけで止まってしまっているんですよね……。

プロフィール

渡辺リエラ
1969年東京生まれ。1988年東京大学文科1類入学。1992年東京大学法学部卒業。出版社勤務、専業主婦を経て、現在、別名義にて大学講師などとして活動中。2007年7月第1子「みーちゃん」誕生。
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