誕生日プレゼント、クリスマスプレゼント、などなど。
小学生でも高学年になってくると、子どもがほしいものと親が与えたいものが乖離して、いったい何をプレゼントしたらいいか、悩みます。
服や、バレエ・歌舞伎などのチケットといった、いずれにせよ出費が発生するがなんとなくスペシャル感のあるもの、を、
「じゃあ、これが○○プレゼントね」
と通告してごまかしたこともありましたが、そろそろネタ切れです。
で、地球儀。
実は2か月ほど前、子どもへのプレゼントではなく、どちらかというと私がほしくて買ったのですが、これ、子どもへのプレゼントとして超オススメです。
今、食卓に置いておりまして、食事をしながら、
「トリニダード・トバゴってどこだ?」
と、会話に出てきた地名を探したり、そこから話題が広がったり。
一例を挙げますと、みーさんが地球儀を見ていて、少し離れたところにコロンビアという名の国と都市があることに気付き、不思議がっていたので、
「たぶん、どっちもコロンブスにちなんだ名前だと思うよ」
とヒントを与え、インターネットで「コロンブス」を調べさせました。
すると、航海の際、コロンブスが立ち寄った「カナリア諸島」に興味をもち、地球儀で場所を調べ、次は近くにあるモロッコの話になり……という具合です。
そんなこんなで、地球儀のおかげで親子の会話が豊かになりました。
今、みーさんは12歳ですが、もっと早く買えばよかった、と心の底から後悔しました。
もしかしたら、そんなふうに地名を探すなら、世界地図でもいいじゃないか、と言う人がいるかもしれませんが、平面である世界地図では物足りない部分があるのです。
まずは、北極に近いグリーンランドが実際より大きく描かれてしまうといった、不正確さ。
ヨーロッパも、地図だとそうでもありませんが、地球儀で見ると、なんだかとても小さいです。
こんな狭いところでひしめき合っていたら、そりゃ、戦争になるな、航海技術が発達してきたら外に出て行きたくなるのは当然だな、と感じさせられます。
反面、相対的に日本列島が大きく見えますし、まるで太平洋にせり出すような派手なポジショニングに、びっくりさせられます。
こんなにデカイ図体をして、よくもまあ19世紀なかばまで鎖国していられたよな、と感心したり、日本から米軍基地がなくなることは当分ないだろうな、と、ため息とともに納得をしたり。
また、地図だと南極は、地図の一番下を這うように描かれ、全体像がわかりません(この点は後述)。
それに、やはり丸いとリアルなんですよね。
これが自分のいる地球なのだ、という実感が湧きます。
だから、物事を俯瞰して見る習慣も、ひょっとしたら身につきやすいかもしれません。
「俯瞰」についてはママ日記では何度か触れていますが、調べたら、公開エントリでは、今どきのリーダーシップのありかたくらいしかありませんでした。
でも、とても重要だと思っています。
さらに、大圏コース(地球上の2点間の最短距離)も、平面だとまったくピンときません。
例えば、私が子どもの頃は、日本からヨーロッパに行く飛行機は、たいてい、アラスカのアンカレッジ空港を経由(給油のため寄港)していましたが、平面の地図だと、「なんでそんな遠回りをするんだろう?」となってしまいます。
しかし、地球儀で見ると(ひもをあててみると)、それが最短距離であることが一目瞭然です。
この先、何がどうなるかわからないので、今の子どもたちは、そういった大雑把な地理感覚を身につけておいたほうがいいと思います。
さて、ウチが購入したのは、「世界最大の地球儀メーカー」と言われるリプルーグル社の地球儀で、「オセアニア型」で「ブルーオーシャン」の「日本語版」です。
一般的に、地球儀には、行政タイプと地勢タイプがあります。
行政タイプは、国や地域別に色分けされたもの。
子ども向けというと、こちらを選ぶ方が多いと思います。
でも、ウチは、別に国ごとの情報がほしくて地球儀を買うわけじゃないんです。
国ごとの情報を求めるならば、プレゼントのオススメ「世界地図パズル」でご紹介したJANOD(ジャノー)のパズルワールドマップのほうが、子どもの目線でポイントを押さえていると感じます。
地勢タイプであっても、国ごとの位置やサイズは、国境線が赤く線引きされているから、ちゃんとわかります。
都市名やもっと細かい情報が知りたいなら、グーグル・マップなどウェブで調べるほうがわかりやすくて正確です。
地勢タイプとは、実際の地球に近い色で色分けされているものを指します。
だから、緑ならば森林などの緑豊かな地域だな、茶色ならば砂漠だな、紫色ならば氷に閉ざされた世界なんだな、などと見当がつきます。
リプルーグルの地勢タイプは、加えて、山岳部分が隆起加工され、デコボコとしています。
だから、
「中国って広いけど、意外と山ばかりで、平地が少ないんだな。ここに10億人が暮らすとなったら、そりゃ大変だよな」
とか、
「コンゴ民主共和国(ザイール)って大きいけど、平野は割と狭いな」
などと、さわりながら感じることができます。
米国の東半分が緑で西半分は茶色なのを見ながら、ロッキー山脈のデコボコをさわっていると、荒れた土地へ一攫千金を求めて旅立った人々の見ていたであろう世界(西部劇の、例えば、ピューピュー吹く風や、保安官が銃をくるくる回す仕草)が身にしみて感じられます。
海は残念ながらデコボコしていませんが、海溝は濃い青、といった濃淡で、
「ここが、世界の海で最も深いチャレンジャー海淵かぁ」
などと、海底地形を知るには十分です。
さらに、リプルーグルの地勢タイプの中でも、オセアニア型は卓上タイプで、地球を東西(横)方向だけでなく、南北(縦)方向にも回すことができる「ジャイロマティック構造」です。
世界地図だと一番下を這うように描かれている南極大陸を、真正面から、なめるように見て、
「南極半島って、南米大陸を見上げる龍の上半身みたいな形だな」
とつぶやくこともできるし、南半球を下からあおるような感じで見て、
「インド洋って、インドの下チョロチョロじゃなくて、けっこう広いんだな。だから『海』じゃなくて『洋』なんだな」
と気付くこともできるわけです。
こんなふうに、知識としてはなく五感を使って得た情報は、一生忘れないと思います。
ちなみに、球径は30cmあります。
一般的な日本の家庭の感覚では「うわっ大きい」となるかと思いますが、小さいと文字が読みにくくなる(おそらく情報量も減る?)ので、このくらいはあったほうがいいと考えます。
緯度線や経度線、日付変更線も書かれています。
海流も矢印付きで書かれているなど、情報量は十分で、見ていて飽きません。
架台は木製で、高級感があります。
上品な色合いなので、大きくても家の中で悪目立ちすることはないと思います。
知的なインテリア雑貨としても申し分なしですよ。