プレママ日記

助産所見学(8週2日)その2

 院長先生から、いくつか生活上の注意点を教えていただきました。
 まず言われたのは、からだを冷やさないこと

〈それならもうはじめてるワ〉
と、ちょっと得意になって、
「タートルネックばかり着ています」
「腹巻してます」
「アームウォーマー買いました」
「古いタイツの指先を切って、レッグウォーマー代わりにしています」
 院長先生は、
「いいじゃない」
とうなづいてくれました。

 でも、まだ足りなかった様子。
 三陰交というツボのこと、足湯について伺いました。
 お風呂も、シャワーだけで済ますのではなく、ちゃんと湯船につかるように、とも言われました。
 ただ、問題が。
「夫が熱いお風呂好きで、45℃くらいのお湯を入れて、先に入れ、入れ、と言うんです。せっかく気を遣ってくれているのだから、と無理して入るんですが、出ると気分が悪くってしまって……」
とお話しすると、
「45℃は熱いわね。お湯は40℃以下にしましょう。それに、さら湯はからだによくないの。だんなさんに先に入ってもらって、ぬるくなったところで入るのがいいわね」

 食事についての注意事項は、頭が痛くなりそう。
 どうしてか、ですって?

 まず、からだを冷やす物、例えば、アイスクリーム、冷たいジュース、生野菜、柑橘系、乳製品、麦茶はダメ。
「と言っても、欧米の人にはピンとこないらしいのよ。からだが違うのね。彼らは出産当日とか翌日に退院するでしょ。お産で開いた骨盤がすぐに戻るから、それができるの。狩猟民族だから、食料を求めていつでも動けるように、ということなのかしらね」

 ふーん。欧米とアジアは、やっぱり違うんだなあ。
 だからといって、アジア人はみな同じかというと、そういうわけでもないらしい。

 カレーのように南国で好まれる食べ物や、南国でとれる果物は、からだを冷やすから、食べちゃダメ。
 でも、南の国に住んでいる人は、カレーとかマンゴーとかを食べざるをえないですよね。
 そう尋ねると、
「だから、例えば、タイの分娩時間の平均は日本より少し長いの。それで、タイでは昔から妊婦が飲む漢方薬があって、お産が軽くなるようにしているのよ」

 そのほか、キムチもからだを冷やすのだそうだ。
「お隣りの国の物だから大丈夫かと思いました」
と言うと、
「お隣りといっても大陸と日本は違うのよ」

 結局、日本らしい食べ物、ご先祖様が食べていたような物、がいいらしい。
 例えば、味噌、生姜、長ねぎ。
 果物なら、りんご、さくらんぼ(アメリカンチェリーはダメ)。

 とはいえ、どこまでさかのぼればいいのか?
 最近、「縄文の米」という雑穀米を食べているのですが(おいしいヨ)、やっぱり縄文時代まで行く必要があるのか?(そのころ、ご先祖様はどこにいたのだろう? 東南アジアかもしれないし、大陸にいたかもしれないよ)
 江戸時代くらいでいいのか?
 現実的には、祖父母の若いころ?

 まあ、とりあえずは、洋食を控えて和食中心に切り替える、という感じでしょうか?

 そのほか、アレルギー対策として、肉、大豆やゴマなどのタンパク質は、一度食べたら、中4日、できれば1週間あけてほしい、と言われました。
 そういうのを、回転食って言うんだそうです。

 けっこうきびしいでしょ?
〈助産院で出産するのって、めんどくさい〉
と思われたかもしれませんね。
 でも、ここまで言われたことは、あくまでも原則。

「食べづわりで、キムチが食べたくてしかたないんですけど」
「まあ、つわりの時期はしかたないわね」
という具合に、臨機応変でいいんだそうです
 少しずつ食事制限に慣れていって、だいたい30週くらいからきっちり守るというイメージです。
 それなら、なんとかやれそうです。

助産所見学(8週2日)その1

 2度目の健診時、助産師さんのカウンセリングタイムがなくて、がっかりした私。
 もともと、総合病院より個人病院(医院)のほうが、アットホームでいいな、と思っていたこともあって、
〈アットホームなお産がしたいなら、助産所で産むって、どうよ〉
と思いつくのに、あまり時間はかかりませんでした。

 早速、最寄りの助産院(といっても、バスで10分くらいあるんですけど)のサイトを探し、のぞいてみました。
 すると、カタカナ言葉のオンパレード。

「アクティブバース」
 活動的な誕生? 
 胎児が踊りながら出てくるのか?
 そんなわけないか。
 それじゃあ、能動的な出産?
 なに、それ。

「フリースタイル」
 レスリングですか?

「バースプラン」
 お産って、計画をたててするものなんですか?

 なんだか、直輸入で理屈っぽいイメージが漂います。
 私はただ、大昔のご先祖様がしてきたようなお産がしたいだけなのに。
 自分が健康体になって、そういう出産にそなえたいだけなのに。

 違和感半分、興味半分、という感じでしたが、まずは見学会に申し込みました。
 いざ、見学に伺うと、たまたまその日の見学者は私1人。
 院長先生と1対1でお話しすることができて、とてもラッキーでした。

「どうして助産院での出産を考えたんですか?」
との院長先生の問いに、バカ正直に、
「出産のついでに、自分も健康になりたいと思ったからです」
と答えた私。
「だったら、助産院がいいんじゃない?」
 ヘッ?

「出産は女の大仕事なのよ。そんないいかげんな気持ちでのぞんではだめよ」
「もうおなかの中には赤ちゃんがいるのよ。これから健康になろうとしたって、遅いわよ」
 お小言をいただくのを覚悟していたのに、院長先生は、あっさり肯定。
 拍子抜けしました。

 こんなイイカゲンな動機でいいのなら、ぜひ助産院で産もう、と思いました。

プロフィール

渡辺リエラ
1969年東京生まれ。1988年東京大学文科1類入学。1992年東京大学法学部卒業。出版社勤務、専業主婦を経て、現在、別名義にて大学講師などとして活動中。2007年7月第1子「みーちゃん」誕生。
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