プレママ日記

出産難民(4週6日)

 この日、妊娠検査薬で陽性反応が出ました。
〈明日、病院に行こう〉
と考えたものの、問題はどの病院に行くか、です。
 私の住んでいる地域には、大学病院や総合病院のような大きな病院がたくさんあります。
 でも、大学病院や総合病院には、設備は充実しているけれど、待ち時間が長い、というイメージがありました。
 これに対して、個人病院(医院)は、あまり待たずに、しかも親身になって診てもらえるようなイメージ。
〈まだ妊娠してるかどうかもわからないし、仕事もあるから、時間をとられるのはイヤだな〉
 そう思って、タウンページで近くの個人病院を探し、電話しました。

     ところが、です。
    「妊娠したようなんですが、明日の診療時間は何時からでしょうか?」
     そう尋ねたとたん、先方の声のトーンが変わり、
    「うちは、お産は扱ってないんですよ」
     めんどくさそうに言われました。
    「まだ妊娠判定の段階ですから、お願いできませんか?」
    「妊娠の判定は難なくできるんですけどね、出産をする病院でもまた検査、となると、二度手間になって、申し訳ないから、うちではやらないことにしてるんです。そういうことで……」
     こちらの手間を気づかっているような言い方ですが、声は一刻も早く電話を切りたそう。
    「すみません、この辺りでお産を扱っている個人病院をご存じだったら、教えていただけませんか?」
    「区内では、もういらっしゃらないんじゃないかしらねえ……」
     とどめを刺されました。

     幸い、私が住んでいるのは東京都23区内。しかも病院密集地区。
     徒歩圏内に、お産を取り扱う大病院がいくつもあります。
     でも、大病院は、基本的にはリスクのある妊婦さんが行くべきところ、だと思います。
     だから、とくに病歴もない人間が、ご近所、というだけの理由で行くのは、申し訳ない気がしました。
     でも、区内に個人の病院はないらしい……。
     いったい、私はどこに行けばいいの?
     なんだか、難民になった気分でした。
     何でもそろうと言われる便利な東京の、しかもド真ん中で、ヘンな話ですね。

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    プロフィール

    渡辺リエラ
    1969年東京生まれ。1988年東京大学文科1類入学。1992年東京大学法学部卒業。出版社勤務、専業主婦を経て、現在、別名義にて大学講師などとして活動中。2007年7月第1子「みーちゃん」誕生。
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