この日の朝、なかなか起き上がれませんでした。
首から肩にかけてバリバリに固まってしまい、ちょっとでも動かそうものなら、激痛が襲ってくる始末。
横を向いたり、うつぶせになったり、もぞもぞと動いて、おのれの身体をだましだまし、なんとか起き上がったものの、洗面所でも問題が!
うがいができないのです。
水を口に含んで上を向こうとするのですが、首から肩のあたりがストライキを起こしたかのようで、まったく動いてくれません。
強引にあごを持ち上げて、
「ガラガラー」
と、うがいをはじめたら、首に激痛が走り、衝撃で口から水があふれてしまいました。
その痛みは、寝違えのようでもありましたが、寝違えにしては痛みがひどすぎます。
これまでに経験したことのない、深くて、しかも鋭い痛みです。
〈ここ数か月、体調がよい気がしてマッサージに行かなかったつけが、とうとう回ってきたんだ〉
と感じました。
これはどうにかしなくてはいけません。
まず、数か月前までかよっていたマッサージ屋さんに電話しました。
マッサージ屋さんって、「妊婦はお断り」というところが多いんです。
ところが、妊娠2か月であることを告げると、
「2か月なら大丈夫です。妊娠3か月からはマッサージできません」
との返事がかえってきました。
〈妊娠2か月と3か月、どこが違うんじゃ? 流産とか、もろもろの危険は、似たようなもんじゃろが〉
と、不思議に思いました(なぜか広島弁?)。
しかも、6週3日といえば、妊娠2か月の後半。
あと10日間ほどで妊娠3か月に入ります。
なのに、妊娠2か月と3か月の違いを納得できないままマッサージを受けて、何かあったら、と思うと、ちょっとコワイ。
ところが、困ったことに、そのマッサージ屋さんで働いている人はみんな中国人で、“日本語勉強中”の人ばかりなのです。
マッサージをうけているときも、
「○○という言葉は、どういうとき使う?」
と聞かれ、これがまたイイところをついていて、頭を抱えることもしばしばでした(無意識にやっていることを意識させられるから、勉強になるのです)。
かといって、私は中国語がまったく話せません。
やむをえず、微妙なやりとりは断念し、
「出産したら、また行きますね」
と言って、電話を切りました。
そして、だいぶ前にかよっていた、近所のS治療院に電話。
〈「治療院」と名乗っているところなら、妊婦もOKかも〉
と考えたんです。
症状とか、体調とか、いろいろ聞かれたものの、なんとかOKしてもらえました、ホッ。
それで、S治療院に3回くらいかよいましたが、首の痛みに好転のきざしはなし。
美容院に行っても、シャンプーしてもらうことができず、困ります。
〈そういえば、前も、ここ、いまいちだなあ、と思って、通わなくなったんだったっけ〉と思い出し、近所にあるU治療院にかようことにしました。
U治療院は、「気で治す」が売りの治療院です。
ちょっと、アヤシゲでしょ?(笑)
実は、首が痛くなる前から、肩こり腰痛に悩んでいる夫に、
「ドラッグストアの前にあるU治療院って、腰痛が治るって評判みたいよ」
とかなんとか、テキトーなことを言い、偵察に行かせていたんですねー(実験台にして、ごめんヨ)。
夫の感想は、といいますと、
「気を入れるだけだから、強くもんだりはしないんだけど、あったかくなる。眠たくなって寝ちゃったから、よくわかんない」
わからないなりに、けっこう気に入った様子でした。
で、ドキドキしながらU治療院の治療をうけたわけなのです。
たしかに、ツボを押さえて気を入れるだけなので、正直言って、強もみに慣れている人間には、物足りなさが残ります。
でも、気持ちは良かったです。
それに、あとから考えると、いろいろ微妙な妊娠初期ですから、物足りないくらいのソフトな治療が適切だったと思います。
先生も、やさしい目をした物静かな人で、
「このあたりが固いですねえ。わかりますか」
と言いながら、肩甲骨の内側をさすってくれたり。
右側のほうが痛いと私が言うと、
「左のほうがこっていますねえ」
と言われて、びっくりしたり。
そんなふうに、たくさんの人の身体を診てきた人が、なにかと心細いこの時期に、自分のものとは思えないくらい変化を遂げつつある身体と、一緒に向き合ってくれた、ということが、精神衛生上も、とても良かったと思います、あとから気づいたことですけど。
首の痛みのほうも少しずつ楽になり、5回ほどの治療で治りました。
わからないのは、これもつわりの一種なのか、ということ。
果たして、妊娠と関係があるのでしょうか?
そのヒントは、8週2日に見学する助産院にありましたが、今日はここまで。
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