2007年05月

「会社辞めたい」(9週3日)

 とうさまが、
「会社辞めたい」
とつぶやきました。
 本気で言っていると、かあさまはわかっています。
 でも、かあさまはフリーになったばかりで、収入は安定していません。
 それどころか、つわりもあるし、出産まで仕事を休みたいくらいです。

 なのに、とうさまが会社を辞めてしまったら……。
 すぐに希望通りの転職ができるとはかぎりません(実際、できなかった)。
 貯金でつなぐとしても、出産費用、みーちゃんたーちゃんのための買い物など、出費がかさみます。
 子どもが生まれるとなると、予想外の出費もあるかもしれません(実際、あった)。

 かあさまは、
〈せめて、みーちゃんたーちゃんが出てくるまで、待てよなー〉
と思いましたが、いきなり言うと、角が立ちそうです。

 ちょうど「拝啓、父上様」というタイトルのテレビドラマを観ていたので、それにひっかけて、
「拝啓、みーちゃんたーちゃん。とうさまが壊れました。敬具。かあさまより」
と、手紙を書くしぐさをしながら言いました。

 思いつめた表情の敵(とうさま)も、プッと吹き出しました。
 そこをねらって、
「辞めるな、とは言わないよ。でも、せめて、みーちゃんたーちゃんが出てくるまでは、待って」
と釘をさしました。

 20代のころの私が、もし妊娠中にそんなことを言われたら、不安でたまらなくなったと思います。
 思い悩んで、切迫流産、なんてことになっていたかもしれません。

 事態の深刻さは同じでも、不安な気持ちとうまく付き合えるのは、年の功かな。
 これも、“高齢”出産のメリットと言えそうです。

ミートソースのリゾット(9週1日)

 やたらとトマトが食べたいです。
 助産所見学(8週2日)その2でお話ししたように、生野菜など、からだを冷やす物の飲食は禁じられています。
 からだが避けているのか、頭が避けているのか、どちらかよくわかりませんが、生のトマトは食べたくありません。
 火をとおした、しかも濃い味付けのトマト味が食べたいのです。

 さて、どうしたものかと、料理のレシピのスクラップブックを開きます。
 20代のころからチマチマと集めてきたので、黄ばんだ新聞の切り抜きみたいのがぞろぞろと出てきます。

 あっ、ありました。
 ミートソースのリゾットです。
 作り方はかんたん。
 お米と市販されているミートソースとコンソメスープを混ぜて、電子レンジに10分強かけ、バターとパルメザンチーズ、コショウを加えて、さらに2分ほど電子レンジにかけるだけ。
 この日以降約3週間、ほぼ毎日食べてました。

 レシピからおわかりいただけると思いますが、このリゾット、しょっぱい、というか、コクがある、というか、あぶらっこい、というか、とにかく味が濃いんです。
 食べている間、ミートソースとバターとパルメザンチーズのことしか考えられなくなるほど。
 たぶん、一度作ってみて、あまりの味のくどさに、レシピを封印していたんだと思います。
 そのくどい味が、つわりの時期の栄養補給に役立つとは……。
 妊婦のからだって、面白いですねえ。

プロフィール

渡辺リエラ
1969年東京生まれ。1988年東京大学文科1類入学。1992年東京大学法学部卒業。出版社勤務、専業主婦を経て、現在、別名義にて大学講師などとして活動中。2007年7月第1子「みーちゃん」誕生。
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