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スノーボードハーフパイプ・銀メダリスト平野歩夢くんと親力の話

日本の冬季五輪史上、最年少のメダリストとなったスノーボード男子ハーフパイプの平野歩夢くんですが、ハーフパイプをよく知る人にとって、彼のメダル獲得は驚くような話ではなかったようです。
昨年末にアップされたSportsnaviの五輪目指す15歳の実力者、平野歩夢 高い評価の理由 スノーボードHPには、平野くんが、3年前から既に「大人顔負けの高さで宙を舞う小学生ライダー」として世界中の注目を集めていたことが記されています。

昨年1月、「WINTER X GAMES」で2位となり、史上最年少メダリストとなったニュースは私も記憶していますが、同エントリが「世界最高峰であるアクションスポーツの祭典」と呼ぶWINTER X GAMESで平野くんが高評価を得た理由までは、知りませんでした。
同エントリによると、その理由とは、「トリックの難易度を凌駕するほどの圧倒的なエアの高さと、パイプ内での動きすべてがパーフェクトな完成度を誇っていた」こと、だそうです。

15歳の少年が、どうやってそれだけの技術を身につけたか。
それを同エントリの平野くん自身の言葉から引用すると、まず、
「小さい頃から…ドロップインからラインどりの練習ばかりして」「身体に染み付いている感じはあります」というレベルまで達していた圧倒的な練習量。
そして、「スケートボード」。
平野くんは、「スノーボードだとごまかせるけど、スケート(ボード)では絶対にできない」と言っています。
ごまかしのきかないスケートで普段練習していると、スノーボードで同じ動きをしたとき、簡単にできるし、簡単に思えるのでしょう。
適切なたとえが思い浮かびませんが、普段目をつぶってピアノの練習をしていると、目を開けて弾いたときに、鼻歌交じりに、まったくミスタッチなく弾くことができる、というイメージでしょうかね。

そこまで徹底的に練習できたのは、父英功(ひでのり)さん(42)のおかげと言ってよいでしょう。
英功さんは、地元である新潟・村上市でスケートパークを運営しているそうです。
朝日新聞デジタル平野、銀へ父の道しるべ 技の原点、私設スケートパークに、英功さんが造った国内最大級の室内スケートボード場「日本海スケートパーク」の写真があります。
ここで平野くんは毎日練習しているんですね。
Sportsnaviの五輪目指す15歳の実力者、平野歩夢 高い評価の理由 スノーボードHPによると、「お父さんと一緒に…基礎的なところをひたすら練習してた」そうです。
やっぱり基礎は大事ですね。

それから、親の力も大きいわ。
サッカーのバルサU-12で活躍中の久保建英くんも、久保建英くんはどのように育てられたかで触れたように、「熱心な父親とともに、シャビ、イニエスタ、メッシのプレーを重点的に見て、自分のプレーと比較していた」そうですからね。

そのように、子どもと一緒に練習・研究して、天才少年を育てた点ももちろんスゴイのですが、当サイトが注目したいのは、2人のお父さんがどちらも自然体だということ
いわゆる教育パパではないってことですね。

朝日新聞デジタル平野、銀へ父の道しるべ 技の原点、私設スケートパークによると、「会場の大画面に映る息子を見つめながら、父英功(ひでのり)さん(42)が「気の利いた言葉なんて出ない。スケボーが、こんなことになるなんて」と涙ぐんだ」そうです。
いやあ、そりゃそうですよねー。
そういう自然体なところが、きっと良かったんでしょうねー。

久保建英くんの父君を今頃になって発見!でご紹介したように、久保くんのお父さんも、
「出勤前の毎朝1時間と休みの日には、ずいぶん一緒に遊びました。小さな子どもと一緒に体を動かすのは楽しいですよね。サッカーの練習をさせた、というより、私自身が楽しかったのです」
「子育てを始めた頃、自分が親として何をしてやれるかを考え、サッカーなら親子一緒に楽しめるかもしれない、と思ったのです。後は、建英自身が道を切り拓いているだけです」
とおっしゃっています。
ステキですねえ。
私も久保パパのように、自分が心の底から楽しみ、子どもが楽しみはじめたら、そっと下がってサポートに徹するような親になりたいです。

Wendy-Netの月刊情報紙Wendy 全国版 296号で、バレリーナ吉田都さんも、
「よくあれほどに私のバレエに付き合ってくれたなと思って、後で聞いてみると、母は「あまりにもバレエに夢中で、本当にバレエが好き!というあなたの気持ちに引きずられたのよ」と言っていました」
と語っています。
主役はあくまでも子どもなんですよね。

こうした天才の親のありかたについて、我らが親野智可等先生は何かおっしゃっていないかと探したら、ありました!
ちょっと前のエントリですが、中身はまったく古くなっていないです。
SAFETY JAPANの「激動の時代を「生き抜ける」子供の育て方 親力養成講座」第34回 「天才キッズ」教育のリスクで、親野智可等先生は、
「子どもに意欲も才能もないのに強引に教え込もうとすると、かなりの確率で親子関係が崩壊する」
と警鐘を鳴らしておられます。
そしてもちろん、「スポーツや習い事のことだけではない。医者にしたい、弁護士にしたい、いい大学に行かせたい、いい中学に行かせたい、などということで親がレールを敷くときにも、同じリスクがある」わけですね。

親って仕事は、ホントさじ加減が難しいですねー。

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プロフィール

渡辺リエラ
1969年東京生まれ。1988年東京大学文科1類入学。1992年東京大学法学部卒業。出版社勤務、専業主婦を経て、現在、別名義にて大学講師などとして活動中。2007年7月第1子「みーちゃん」誕生。
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