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アトピー性皮膚炎と私・その2

京都に高雄病院という病院があります。アレルギー・アトピー治療で有名らしく、
サイトの説明によると、

高雄病院には年間約3,000人以上のアレルギー・アトピー患者様が全国から外来診察に訪れ、年間約400人が入院治療されます。

とのことです。
その治療方針は、「ステロイド外用薬とプロトピック軟膏を上手に使うことで皮膚炎をコントロールしながら、漢方治療と食生活の指導で根治をめざす、両面作戦」(同じページより)。
食生活については、このように説明されています。

主食は玄米、副食は、植物性たんぱく質、野菜、海藻を主に摂る菜食とします。 動物性たんぱく質は、魚貝類、鶏肉、卵などを使用していますが、牛乳、牛肉、豚肉、加工食品などは一切使用しないお食事をご用意しております。アレルギーのある方は、それぞれのアレルゲンを除くお食事となります。(同じページより)

アトピー性皮膚炎と私・その1でご紹介した

アトピーを3ヶ月で治す方法と比較すると、ステロイド(と、おそらくプロトピックについても)に対する態度が違います。
ただ、食事についての考え方はかなり似ている印象があります。

高雄病院がステロイド外用薬とプロトピック軟膏を使う理由については、ドクター江部の糖尿病徒然日記

「アトピー性皮膚炎と湿潤療法」に書かれています。

あっ、気が付かれましたか?
ドクター江部の糖尿病徒然日記

は、このサイトの常連コメンテーター、genyさんが、

「食べ物と放射性物質」のエントリへのコメントの中でご紹介くださったブログです。

「糖尿病対策と似てるかも」でも取り上げています。

実は、江部先生のブログは以前からチェックしていたのですが、なにしろ分量が多くて読み切れていませんでした……。
このたび、全部じゃありませんが、じっくり読んでみました。

献立をみなさまに披露している者として一番気になるのは、食事についての考え方です。

「マクロビオティックと糖質制限食とテーラーメードダイエット」に詳しく説明されていました。
なんでも、「一人ひとりの年齢・体質・病状・嗜好にあわせた、テーラーメードの食事療法(tailor made diet)」を提唱しているとのこと。
どういうことでしょうか?

例えば、小児、青少年、アトピーや喘息の若い人、成人でも糖尿病やメタボリック・シンドロームなどがない人なら、主食を未精製の穀物(例えば玄米)にして「高雄病院食生活十箇条」の実践でよいと思います。
運動選手など日常的に運動をしている青少年は、あるていどの量の未精製穀物を摂取しても、筋肉がどんどん血糖を利用するのでブドウ糖ミニスパイクも生じにくく大丈夫です。
すでに糖尿病を患っている人や、メタボリック・シンドロ-ムの人は、糖質制限食がベストの選択です。

と書かれていました。
なるほど、年齢や身体の状態、生活スタイルに応じて、適切な食事は異なるのですね。
ついでに、『高雄病院食生活十箇条』も引用しておきますと、

一、主食は未精製の穀物(玄米、全粒粉のパンなど)を運動量に応じて適量
二、白パン・白砂糖など精製炭水化物の摂取は極力減らす
三、発酵食品(味噌、漬け物、納豆など)をきちんと食べる
四、液体でカロリーを摂らない(飲みものは水、番茶、麦茶、ほうじ茶など)
五、魚貝類はしっかり食べ、肉類は適量を摂る
六、季節の野菜や海草はしっかり食べ、旬の果物も適量摂る
七、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)など身体に良い油脂は積極的に摂る
八、牛乳は極力減らし、チーズやプレーンヨーグルトは適量摂る
九、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ
十、食事は楽しく、ゆっくり、よくかんで

つまり、大ざっぱにまとめると、

子ども→玄米菜食+魚貝+肉(運動している子は、玄米を「あるていどの量」食べてもOK)
アトピー性皮膚炎患者→玄米菜食+魚貝+鶏肉
糖尿病患者、メタボリック・シンドロ-ムの人→糖質制限食(玄米すら食べない)

こんな感じでしょうか。
子どもは玄米なら食べていいんですね。
お腹がすいて、フラフラになってしまうんじゃないかと心配していましたが、これなら安心です。

余談ですが、私、「ご飯を食べないダイエット」をやったことがあります。
10年くらい前でしょうか。
どこかの大学の研究室が開発したダイエット法とかいう話で、A4の紙1枚もらった記憶があります。
義理人情の関係でスルーできない状況にあったもので、試したんですが、たしかに体重は減りました。
52キロくらいあったのが、46キロくらいになりました(今はその間くらいw)。
もちろん、お米だけではなく、パンも、麺類も、いも類もNGでした。
今思えば、糖質制限食の一種だったのかもしれませんね。
最初は「お腹がすきそう」と心配でしたが、意外と空腹感はなかったです。
それどころか、身体の中が正しく動いている感覚がありました。

とはいえ、お米だけではなく、パンも、麺類も、いも類もNGと聞くと、極端な印象を持たれるかもしれません。
でも、その理由を知ると、なるほどと思う方もいらっしゃるのでは?

「糖質制限食の基本スタンス」から引用します。

高雄病院・糖質制限食の基本スタンスは、
「人類本来の食生活を目指す。」
ということです。
人類の歴史は約400万年です。
農耕が始まるまでの約400万年は、狩猟・採集が生業であり、魚貝類・小動物・動物の肉・内臓・骨髄・野草・野菜・キノコ・海藻・昆虫などが日常的な食料です。時々食べることができたのは、木の実・ナッツ・果物・山芋などでしょうか。

いかがでしょうか。
そう言えばそうだなあ、と思いませんか?

ただ、糖質制限食はまだ医学界において公認された治療法ではありません。

江部診療所ホームページにも、

2012年1月15日、第15回日本病態栄養学会年次学術集会において「糖尿病治療に低炭水化物食は是か?非か?」というディベートセッションが行われ、私は是側の演者として講演しました。
このことは、糖質制限食が医学界の表舞台に登場したという意味で、大きな一歩といえます。

と書かれています。
糖質制限食をめぐる議論は、医療の最前線なんですね。

私個人の受け止め方はと言いますと、上で紹介した、恥ずかしのダイエット経験から、糖質制限食に一定の効果があると感じています。
そのうえで、糖質制限食が普及することに懸念を抱いています。
どういうことかと言うと、

1 糖質制限食はあまりに不平等、理不尽な治療法ではないか
2 日本の少子高齢化問題が深刻化するのではないか

ということなんです。
説明します。

約400万年の人類の歴史の中で、農耕が開始されてからの時間は、たかだか1万年。
たしかに、ヒトの身体が形成されてきた、なが~い狩猟・採集時代に食べていた物が、ヒトの身体に最適なのかもしれません。
でも、人類の頭数がグンと増えはじめたのは、農耕が開始されてから。
それにはいろいろ理由があるのかもしれないけれど、主食が穀物(糖質)となり、より多くの人に食料がいきわたるようになったことは大きかったのではないか……。

とすると、地球上の何十億かの人々が一斉に穀物を避け、糖質制限食を追求しはじめたら、どうなるでしょうか。
魚貝、肉類、野菜の価格は高騰し、糖質制限食にしたくても経済的理由からできない人ばかりになるでしょう。
不平等ではないでしょうか。
今でさえ、穀物に比べて魚貝、肉類、野菜の価格は高いのです。
例えば、2kg1000円のお米は、100gあたり50円です。
一方、鶏肉は100gあたり100円でも、けっこう安いほうじゃないでしょうか。

こう言うと、
「今でも地球上に、穀物すら食べられずに餓死する人がたくさんいる」
という声があがるでしょう。
もちろん、それは現実です。
私が心配しているのは、
「さらに、魚貝、肉類、野菜に手が届かず、穀物を拒否して餓死する人が出てくるのではないか」
(ちょっとナンセンスな想定という気もしますが、本当に糖質制限食の考え方が普及したら、ありえない話ではありません)

また、
「今でも、経済的理由から手術を受けられずに亡くなる人がたくさんいる」
という声も出るかもしれません。
たしかに、手術を受けられずに亡くなることと、糖質制限食を食べられずに亡くなることは、一見似ています。
しかし、糖質制限食を食べられない人の多くは、たぶん穀物を食べるでしょう。
身体に悪いと知りながら、仕方なく食べるんです。
それって、何か(例えば手術)をできずに死ぬより残酷、理不尽な死に方ではないでしょうか。

言葉で説明しようとすると極論みたいになってしまいますが、私が漠然と感じている糖質制限食への違和感は、そういうことです。

2のほうも、もうおわかりいただけたと思いますが、一応説明します。
日本の豊かな高齢者たち(元気で人数の多い団塊の世代など)が一斉に穀物を避け、糖質制限食を追求しはじめたら、どうなるでしょうか。
高齢者はいつまでも元気を保ちます。

他方で若者は、どうなるか。
魚貝、肉類、野菜の価格は高騰し、糖質制限食にしたくても経済的理由からできない人が多いでしょう。
自分さえ仕方なく穀物を食べている状況で、さらに子どもを産み、育てようと思えるでしょうか。
その結果、少子高齢化がますます進む……。

そんな世の中にみーちゃんを送り出すのは、気が進みません。
というわけで、糖質制限食が、それこそ「○○○○ダイエット法」みたいに流行したら嫌だなあ、と思っているのです。

とは言え、アトピー性皮膚炎の患者、とくに子どもの患者に対する食事療法は、いいことだと思います。

私の、ミートソースをつけたみたいに赤く腫れ上がった唇の周りも、今思えば、糖質のとり過ぎだったのかもしれません。
あの頃、授乳でお腹がすいて、すいて、おまけに甘いものやらお酒やら、いろいろ我慢しているストレスのはけ口で、バカみたいにご飯を食べていたんです。
白米ではなく、五分づき米に雑穀を混ぜていましたが、毎食、丼3杯食べていたらねえ……。
何ごとも、ほどほどがいいですネ。

アトピー性皮膚炎と私・その1

アトピーの話の続きです。
というか、前回のプレママの食事とアトピー性皮膚炎は、実は前フリのつもりだったのです(書き始めたら重い内容だったので、独立させました)。

私、産後3か月目くらいに唇の周りが赤く腫れ上がってきまして。
ミートソースを口の周りにつけたままニコニコ笑ってる子どもが、たまにいますよね。
まさにあんな感じでした。
大学生の頃、つまりお化粧をはじめた頃、唇の周りの皮がやたらとむけるトラブルはありましたが、こんなに腫れることはなかったです。
幸い、痛みやかゆみはなかったのですが、とにかくみっともなくて、困っていました。

最初に行った皮膚科では、
化粧品かなあ」
「でも、比較的かぶれにくいメーカーのものを使っているんですが。○ァン○ルなんですが」
「○ァン○ルもけっこうかぶれるみたいだよ」
というようなやり取りで、よくわからず。

助産院に行った時に、ついでに聞いてみたら、
マンゴーでかぶれる人、多いのよ」
食べてません。
は?」
煮豆に豆腐、納豆、味噌汁、醤油……けっこう摂取してます。
そこで、豆類を控えめにしてみましたが、変化なし。

漢方薬局で症状を伝え、軟膏(おそらく紫雲膏)を購入しました。
毎日塗ったけど、あまり変化なし。

何が良かったのか悪かったのか、わかりませんが、産後1年か1年半くらいでかなり改善しました。
“べっちゃりついてたミートソース”が、紙で拭きとった後くらいの薄さになりました。

それが、みーちゃんが2歳になってから、また悪化。
別の皮膚科に行ったら、
「アトピー性皮膚炎です」
と診断されました。
えっ?
ちょっと驚きました。
アトピーって、子ども時代になるものだと思っていたので。
最近は、大人になってからなる人もいるそうです。
というか、その先生の話を聞いていると、どうも、
「原因が特定できないかぶれは、すべてアトピー性皮膚炎である」
という考えのようでした。
処方されたのは、

ロコイド軟膏0.1%
プロトピック軟膏0.1%

ロコイドを3日間塗って、その後はプロトピックを使うように指示されました(もっと細かい指示もあり)。
その通りにしたら、改善しました。

その後も、たま~に腫れるので、そのたびに、
ロコイド→プロトピック
です。
それで、なんとか収まってます。

でも、また腫れ上がったらイヤなので、口紅はほとんどつけなくなりました。
乾燥対策として、ワセリンをつけています。
透明なので、唇の周りまではみ出すように塗れるのがよいです。
4歳になってからかな、みーちゃんも真似して塗っています。
本人は、すっかりお化粧気分。
でも、化粧品じゃないから、安心して見ていられます。

たまに冠婚・祭の時などに口紅をつけますが、数時間経つと、唇の周りに違和感があります。
化粧品だけではなく、乾燥とか、食べ物(塩分とか)がついているとか、そういうことも関係ありそうな気がしますが、よくわかりません。

これが、アトピー性皮膚炎と私の関係のすべてです。
はっきり言って、たいしたことないです。
でも、アトピーのわけわからなさ、恐ろしさは、自分で経験してみて、少しわかった気がしました。

「アトピーのわけわからなさ、恐ろしさ」について、前回も引用した
「よくわかるアトピー性皮膚炎」(2012年1月31日 第4版発行(新版))から引用します。
1~2ページから。

重症のアトピー性皮膚炎は、実は命にかかわることもある病気です。
ステロイドによる治療を拒否して命を落とした子、子どもの将来を悲観して親子で心中を図ったなどという話を聞くたびに心が痛みます。
あるいはそこまでいかなくても、私たちの病院には、的外れな情報に踊らされ、いわゆる「アトピービジネス」の罠にはまって重症化してしまった患者さんの受診が後を絶ちません。

「アトピー」で検索すると、いろんなサイト、いろんな商品がヒットします。
広告もいっぱい。
上記「アトピービジネス」の罠ですね。

そんな中で、アトピー時代の私が頼りにしていたサイトはアトピーを3ヶ月で治す方法です。
親子でアトピーになった方の、実体験に基づく詳細なレポートです。
このサイトと出会って以来、

キャベツと大根をたくさん食べる
お風呂にアスコルビン酸(ビタミンC)粉末を入れる

を実践しています。
お金もかからないし、みーちゃんが野菜大好き娘になったし、満足してます。

長くなってしまったので、続きは次回。

プロフィール

渡辺リエラ
1969年東京生まれ。1988年東京大学文科1類入学。1992年東京大学法学部卒業。出版社勤務、専業主婦を経て、現在、別名義にて大学講師などとして活動中。2007年7月第1子「みーちゃん」誕生。
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生後106日以降のママ日記は有料とさせていただいております。有料とする理由含め詳細は「当サイトについて」をご覧ください。
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