2012年03月

福音館の月刊絵本 その2

新年度にどれを申し込むか迷ってしまったので、過去2年間を振り返っているところです。
1年目については、福音館の月刊絵本 その1をごらんください。

2年目、つまり11年度に申し込んだのは、正確には「福音館のライブラリー絵本」というシリーズでした。
こちらも毎月1冊、1年間届く点は月刊絵本と同じですが、定評ある既刊本(でも、書店では売っていないものが多い)で、ハードカバー(だから、月刊絵本よりお値段が高い)なのが異なります。

3歳児クラス時
2011年度「ずかんライブラリー」(たしか5歳以上向き)
(順不同です)
○ちょう
 さまざまな蝶の卵、幼虫、さなぎ、成虫を並べただけなんだけど、得も言われぬ迫力があります。
○おいしい野草
 きれいな図鑑。旅行に持って行ったけど、ツクシくらいしか見つけられなかったです……恥ずかしい(涙)。
○虫のかくれんぼ
 みーちゃんの大のお気に入り。葉や枝と見分けのつかない虫っていますよね。それらを集めて、
「どこに隠れているかな?」
と探させる本。驚嘆です。
○えもじ
 洗濯表示から、標識、地図の記号、家紋、古今東西の絵文字などが取り上げられている。最初、つまんないと思ったんだけど、ゆっくり読むと、とんでもなく示唆に富む本だとわかった。他人に何かを伝達するとはどういうことか、とか、デザインって何だろう、とか、考えさせられる。この本を繰り返し読んでおけば、ヴィジュアルセンスあふれる大人に育ちそう。ここから「字」につなげてもいいと思う。ただ、4歳のみーちゃんは、まだピンと来ていません。
○鳥のなき声ずかん
 とてもユニークな絵本。鳥の絵は図鑑風なんだけど、なき声の文字の書体や色がさまざまで、見ているだけでも楽しい。なんと、なき声の楽譜まで付いているんだけど、
「ピーチュル ピーチュル……」
と歌うのは大変なので、価格がアップしてもいいから、CDも付けてほしかったです!
○こうちゅう カブトムシとそのなかまたち
 ワタシ的にはシリーズ中のベスト。この本の30~31ページでは、赤、黄、緑、青、紫と、色に従って甲虫をサークル状に並べているのですが、そのグラデーションの美しいこと! 大げさではなく、この2ページだけでも1年分の代金(1万円以上)の価値がある、と思いました。別の見開きでは、てんとう虫だけをひたすら並べているのですが、大きさや模様の出方がさまざまで、面白かった。
○海べのいきもの
 きれいな図鑑。見てから海の岩場のところに行くと、よさそう。
○宇宙のアルバム
 よくある宇宙の写真を平板に並べたような本ではない。モノクロームの写真(相当珍しいものばかりと思われる)を見ていると、宇宙についての思索に誘われる、そんな絵本。
○ぼくの家ができる たてるじゅんじょ・つかうどうぐ
 在来工法で家を建てる過程を追った絵本。「かんな」にもいろいろあるのね、柱の組み方は、こんなに種類があるのね、と、驚きでした。意外とみーちゃん、好きみたい。
○ミニチュアでみる 世界の台所
 これもユニークな本。大人がじっくり味わいながら眺めたいくらい。4歳児には、まだ早いかな。
○クイズ どうぶつの手と足
 これも面白い本。ただ、いくら動物が好きでも、4歳児には、こういう分析的な見方はまだ難しいみたい。
○じどうしゃ博物館
 4000年前の牛車からはじまり、初めて大量生産された自動車「T型フォード」や、貴族の道楽みたいなクラシックカー、ホンダ・シビックに、農業用トラクターまで、自動車の絵がいっぱいです。

という次第で、こうして文字にしてみると、子どもより大人が興奮しているのがはっきりしますね(笑)。
そうなんです。
どの本も、担当編集者や、その道の専門家が、
「この企画、絶対おもしろいっと思うんだよね~」
と、とっておきの企画を持ち寄った、熱気というか、オタク魂というか、がムンムンしていて、それが読み手に伝わってくるんです。

そういう大人たちの思いは、「虫のかくれんぼ」に関しては、既にカンペキにみーちゃんへと伝わっています。
それ以外の本についても、例えば「こうちゅう カブトムシとそのなかまたち」の30~31ページを開くたび、みーちゃんは、
「このページ、すごいんだよね?」
と、私に確認します。
大人の、本への愛とか情熱、何かを面白がる気持ちが、子どもに伝わっているのを実感します。
もちろん、子どもも同じものを同じように面白がるとは限りません。
子どもには子どもの感性があるから、それでいいのです。
そういうことではなくて、私はみーちゃんには、何でもいいから何かに夢中になれる人になってほしいと思っていて、その気持ちが少しずつ伝わっているような気がするのです。

「ずかんライブラリー」についてまとめると、総じて3歳、4歳には難しい内容でしたが、上記のような意味も含めて、5年、あるいは10年くらいかけて、元をとれる予感がしています。
“長期的視野をもった先行投資”を好む方にはイチオシのシリーズです。

さてさて、うちは新年度、どれにしようかな……?

【追記】2014.4.12
続編福音館の月刊絵本 その3を書きました。よろしければどうぞ。

3月30日の献立

  • ご飯
  • 豆腐と油揚げのお味噌汁
  • 牛肉とキャベツ、パプリカ、長ねぎ、もやしのオイスターソース炒め
  • きゅうりとにんじんの浅漬
  • ※1歳8か月のみーちゃんも食べました。

    プロフィール

    渡辺リエラ
    1969年東京生まれ。1988年東京大学文科1類入学。1992年東京大学法学部卒業。出版社勤務、専業主婦を経て、現在、別名義にて大学講師などとして活動中。2007年7月第1子「みーちゃん」誕生。
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